今年は通用しない「暑さ寒さも彼岸まで」 残暑続きで紅葉に影響は?

2024年9月28日 10:01

9月も終わりに近づいているのに日中、暑い日が続いています。 27日は全国257地点で30度以上の真夏日となりました。 長引く残暑によって、秋の行楽の代表格「紅葉狩り」への影響はあるのでしょうか?

冨永幸気象予報士

 今年の夏は暑い日が続きました。気象庁は2日、この夏の平均気温は平年を1.76度上回り、去年と並んで歴代1位の高温になったと明らかにしています。
 原因は太平洋高気圧が7月は著しく強かったことや、今年の春まで続いた「エルニーニョ現象」の影響、地球温暖化など複合的な要因が重なったとしています。
 こうした状況を踏まえて気象庁の「異常気象分析検討会」は、今年の夏の暑さについて去年と同様に「異常気象である」との見解を示しています。
 
 9月に入っても暑さは続いています。名古屋では20日に37.5度まで上がり、9月としては1890年の統計開始以降で2番目に高い気温を観測しました。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉がありますが、今年の暑さには当てはまりませんでした。

 これだけ暑い日が続くと、これから先の紅葉シーズンへの影響はどうなるのでしょうか?愛知県有数の紅葉スポット「香嵐渓」(豊田市足助町)をPRする豊田市足助観光協会の担当者は「これだけ暑さが続いたのは初めてのことなので心配した時期もあったが、葉っぱの日焼けなどはみられずひとまず安心している」と胸をなでおろし「今後の冷え込み方が紅葉の色づきにかかわってくる」と気になる様子です。

 

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 紅葉は最低気温が8度を下回ると始まり、美しく紅葉するためには昼夜の寒暖差が大きいこと、十分な日照時間、適度な湿度が必要だと言われていて、これからの天気が色づきに影響してきます。

 今後の天気の見通しについて冨永幸気象予報士に話を聞きました。

「気象庁の発表資料によると、10月の気温はまだ平年より高い予想です。11月以降はほぼ平年並みの予想で、一気に秋が深まる傾向といえます。名古屋で最低気温が8度を下回るようになるのは、平年だと11月中旬。その頃はいつも通り晴れが多くなりそうなので、条件は悪くありません。今後、台風の影響がないこと。台風の風で葉が散ってしまってはどうしようもありません。そこをクリアできれば問題なく色づくと思います」

 また、ウェザーニュースが5日に発表した紅葉の見頃予想によると「一部で色づきが遅れるも広範囲で見頃は平年並み」だということで、「香嵐渓」の見頃は11月19日頃からと予想を立てています。
 香嵐渓では11月1日から「香嵐渓もみじまつり」が開かれ、さまざまなイベントが予定されています。観光協会の担当者の話ではまつりの始まる11月初旬は「色づきはまだだろう」ということですが、もみじが色づく気配を眺めに訪れるのもいいかもしれません。

 

 

 

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