【名古屋市長選】後継指名を受けた広沢氏がやや優位 大塚氏が激しく追う
2024年11月18日 18:19
名古屋市長選挙まで1週間となった17日、候補者たちは街頭で支持を訴えました。最新の情勢では、河村前市長から後継指名を受けた広沢氏がやや優位に立ち、前参議院議員の大塚氏が激しく追っています。
広沢氏は市民税の減税を5%から10%にすると主張
24日、日曜日に投票が行われる名古屋市長選挙には7人が立候補しています。
「私は当然河村さんの後継なので、市長報酬も”日本一給料の安い市長”だった河村さんを引き継ぎまして、私は800万円でやってまいります」(広沢一郎氏)
17日中区・大須で支持を訴えた名古屋市の前副市長、広沢一郎氏(60)。
河村前市長仕込みの「きさく」な雰囲気でアピール。握手や写真撮影に応じながら大須の商店街を練り歩きます。
その後は名古屋のソウルフード「スガキヤ」へ。午後に向けたエネルギーをチャージします。
「これで河村さんのやってきたことがなくなるというのは名古屋市民にとっては、がっかりさせることになるので」(広沢氏)
後継者という重圧を感じながらの選挙戦。午後も河村前市長とともに街頭で訴えます。
「この河村さんが15年間やって来たこと、続けるべきかやめるべきか。こういうシンプルな問いなんです。」(広沢氏)
市民税の減税はこれまでの5%から倍の10%にすると訴えます。
「この減税は誰も損していないんです。市民の皆さんはお金が戻った。これを更に倍にしてまいります」(広沢氏)
広沢氏は、河村前市長おなじみの自転車街宣で次の街頭演説場所へと移動しました。
大塚氏は“3つのゼロ”を主張
掲げる“3つのゼロ”
「皆さんの手取りを減らさない、そういう視点で様々な施策を積み上げていきます」(大塚耕平氏)
前参議院議員の大塚耕平氏(65)。17日は栄周辺や名古屋港水族館の近くなど、人が多く集まる場所での演説を繰り返しました。選挙戦前半より訴えを強めた主張があるといいます。
「3つのゼロ。給食代ゼロ、敬老パス負担金ゼロ、がん検診代ゼロ、この3つは速やかに実行しますので、まず大塚耕平にこれをやらせてください。聴衆の皆さんの反応とか見ながら主張を強化したというところ。ずっと名古屋の施策で手取りを増やすと言い続けている」(大塚氏)
名古屋駅での街頭演説では、大塚氏の古巣・国民民主党から10月の衆院選で初当選したばかりのフレッシュな国会議員も応援に。
「長年の国会での経験を通じて、こんなにも知識そして実績、行動力ある方は他にいません」(国民民主 日野紗里亜衆院議員)
演説の最後には「名古屋を前進させたい」と懸命に訴えました。
「大塚耕平に名古屋を前進させて下さい。激戦になっております。本当に激戦になっていますので、私に市長として仕事をさせてください」(大塚氏)
広沢氏が一歩リードし、大塚氏が激しく追う展開に(18日時点)
情勢調査では広沢氏が一歩リード
メ~テレと朝日新聞は14日と15日、インターネットによる情勢調査を行い、取材で得た情報と合わせて情勢を探りました。
それによりますと、広沢氏が一歩リードし、大塚氏が激しく追う展開となっています。
広沢氏は日本保守党から推薦を受けていますが、自民支持層の4割、立憲支持層の4割から支持を得ています。選挙のかぎを握ると言われる無党派層の6割から支持を得ています。
大塚氏は自民、立憲、国民、公明から推薦を受けていますが、自民支持層の5割、立憲支持層の5割しか固められていません。無党派層の3割から支持を得ています。
ただ、投票態度を明らかにしていない人が5割いて、今後情勢は変わる可能性があります。
尾形氏は世代別の行政サービスの充実させることを訴える
世代別の行政サービスの充実を
支援者とともに栄から大須まで歩くのは、政治団体の共同代表、尾形慶子氏(67)。
街頭では演説で支持を訴えます。
「河村市政は、皆さんが本当だったら受け取るべき医療とか教育保育、そういった行政を削って、そして名古屋の職員を削って毎年100億円を捻出して、それをお金持ちに献上する。これのどこが減税なんですか。まやかしの減税です」(尾形慶子氏)
現在の市民税の減税施策について、毎年100億円を市民から“奪ってきた”として、強く批判。施策は継続せずに、世代別の行政サービスを充実させたいと訴えます。
「子育て世代の皆さんには給食をタダに。若い方たちには、奨学金返済支援を毎月2万円で年間24万円。お年寄りには補聴器の購入に5万円。介護保険料の引き下げを行います」(尾形氏)
尾形氏に推薦を出す共産党からは、小池晃書記局長が応援に駆け付けました。
選挙戦も残り1週間を切って、尾形さんはーー
「何とか支持を広げて当選したい」(尾形氏)
情勢調査によると尾形さんは共産支持層の一部から支持を得ていますが、支持の広がりがみられません。
左から鈴木氏、水谷氏、太田氏、不破氏
河村市政の継続か刷新か
元会社員の太田敏光氏(76)は、名古屋城天守の木造化を中止し、耐震化することなどを訴えています。
旅行会社社長の水谷昇氏(61)は、巨大テーマパークを誘致して経済を活性化することなどを訴えています。
元大学講師の不破英紀氏(64)は、診断が難しい長期の患者への支援などを訴えています。
元自治大学校教授の鈴木慶明氏(85)は、市民ファーストを掲げ、持続可能な賃上げを進めたいと訴えています。
情勢調査によると、鈴木氏、水谷氏、太田氏、不破氏はいずれも厳しい戦いです。
15年続いた河村市政の継続か刷新か――
名古屋市長選挙は24日に投票が行われ、即日開票されます。