名古屋市街地で相次ぐ不発弾発見 住民3759人に避難呼びかけ、地下鉄・バスも一部運休
2024年12月16日 17:08
名古屋市東区で15日に不発弾処理が行われ、地下鉄が一部運休になったほか、住民に避難が求められました。
名古屋市東区葵。多くのマンションやビルが立ち並ぶ、市内中心部の工事現場で、10月に見つかったのは、アメリカ製250kgの不発弾です。過去の空襲によるものとみられます。
この不発弾には、起爆装置にあたる「信管」が2つ残っていて、この「信管」を取り除く作業が15日に行われました。
「午前9時半すぎです。不発弾撤去のため交通規制がしかれていきます」(記者)
危険を伴う作業のため、15日は発見現場から半径約300mの区域が朝から”立ち入り禁止”に。
名古屋市は3カ所の避難所を設け、対象区域内の2405世帯、3759人に避難を呼びかけました。
「名古屋空襲は大きかったと聞いているので、今後も同じようなことがあっても、今回みたいに避難しながら気をつけて生活していきたいと感じています」(避難した住民)
「何十年経っても残っているものがあるんだな」(避難した住民)
週末の公共交通機関にも影響は及びました。
「東山線新栄町駅の改札です。運休を知らせる張り紙があり、テープが張られてホームに入れないようになっています」(記者)
地下鉄が一部区間で一時運休に。市バスも区域内の9つのバス停が休止となりました。
信管が取り除かれた報告を受ける吉川直樹・3等陸佐
3時間で交通規制解除
そして、東区役所内に設置された対策本部では――。
「弾頭信管、離脱完了。安全確認よし、了解」(第103不発弾処理隊長 吉川直樹 3等陸佐)
15日午前11時50分すぎに、不発弾の信管は取り除かれました。
安全が確認された後、クレーンで運び出された不発弾。今後、信管とともに処理されるということです。
「もしかしたらもう少し時間がかかってしまうかなという予想もあったが、スムーズに安全化ができたので、私としてはすごく安心している」(吉川3等陸佐)
規制開始から約3時間。15日午後0時半までに、交通規制はすべて解除されました。地下鉄は計115本が運休となりましたが、大きな混乱はなかったということです。
周辺を”封鎖”しての不発弾処理。名古屋市では、11月30日にも中区内で作業が行われていました。
相次ぐ不発弾発見。名古屋市によりますと2019年以降、おおむね年に1件ほど、市内で行われる解体工事や道路工事の現場などで見つかっているといいます。
「もし今後、不発弾が発見されても、引き続き自治体などと連携をとって、安心してもらえるように処理していきたい」(吉川3等陸佐)
宮崎空港で爆発した例も
名古屋市によると、15日の分も含め、2019~2024年に不発弾が処理された件数は計6件。いずれも工事中に発見されるケースがほとんどだということです。
宮崎空港では10月2日、アメリカ製の不発弾が爆発して誘導路が陥没しました。この影響で滑走路が閉鎖され、約6000人に影響が出ました。
防衛省によると、2023年度の全国の不発弾等処理実績は2348件、処理重量は約37.5トンでした。