【減速経済にトランプ関税】習政権の内憂外患“覇権阻止”米国強硬派の起用で日本は?

2025年01月05日 22:22
中国の習近平国家主席は2024年12月31日、新年に向けた演説で、減速する経済について、「中国経済は回復して上向き、GDPは130兆元(約2795兆円)を超える見通し、食糧生産量は7億トンを超える」と経済好調への自信を示した。しかし、新年最初の株式取引日となった1月2日、中国マーケットは大波乱となった。中国の主要企業300社で構成する株価指数「CSI300」の2日の終値は2.9%安と、年初の取引としては、2016年以来、最大の下落率となった。中国の2025年経済政策の方針を決める「中央経済工作会議」が12月11、12日に北京市で開催された。会議では、主に内需不足により、中国経済は多くの困難と課題に直面している現状が報告され、「一部の企業は生産と運営が困難であり、国民は圧迫されている」と指摘された。また、「より積極的な財政政策を実施すべき。超長期特別国債の発行を増額し、財政支出で景気を下支えする適度に緩和的な金融政策を実施する必要がある」と総括された。 新年演説で習氏は、2025年の中国経済について、「現在の経済運営は幾つかの新しい状況に直面している。外部環境の不確実性による試練、新旧原動力の転換による圧力はある」と語った。習氏は、外部環境の確実性に関する詳細な言及は避けたが、1月20日に始動するトランプ次期政権による対中圧力を指すものと見られている。トランプ氏は12月22日、国防総省ナンバー3の国防次官にエルブリッジ・コルビー元国防副次官補を起用することを発表した。コルビー氏は2018年の国家防衛戦略の策定で責任者を務めた対中強硬派で、日本に対して、防衛支出における大幅増額の必要性を訴えている。 コルビー氏は、自著「アジア・ファースト」の中で、米中がライバルとして対峙することを指摘したうえで、その前提条件として、米国の国家戦略と軍事戦略を組み立てる必要性を主張している。その戦略を踏まえて、コルビー氏は、日本などを主要メンバーとする「反覇権連合」を構築することを主張している。この「反覇権連合」とは、中国がアジアにおける覇権奪取を防止するものであり、政治的イデオロギーや宗教上の違いを問わないとして、コルビー氏は「拒否戦略」の実行を訴えている。 ★ゲスト:柯隆(東京財団政策研究所)、峯村健司(キヤノングローバル戦略研究所) ★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)

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