金融庁出向中に“インサイダー”か 初公判で元裁判官「家族のために備え」

2025年03月19日 13:37
 金融庁に出向中にインサイダー取引を行った罪に問われている元裁判官の男が初公判で起訴内容を認め「家族のために備えたかった」などと話しました。  元裁判官で金融庁に出向していた佐藤壮一郎被告(32)は、去年4月から9月にかけて、職務を通じて知ったTOB=株式公開買い付けに関する未公開の情報などをもとに10種類の銘柄、合わせておよそ952万円分を買い付けた罪に問われています。  東京地裁で19日に開かれた初公判で、佐藤被告は「間違いはありません」と起訴内容を認めました。  被告人質問で動機について問われると「株主の立場で体験して市場の仕組みを知りたかった」「老いゆく両親や家族のために備えないといけないという思いに取りつかれていた」などと述べました。  また、奨学金などおよそ500万円の負債があり、月10万円から20万円を競馬に使っていたと明かしたうえで「取引で得た資金を返済には充てておらず、競馬は趣味の範囲で損失があった場合の穴埋めには使っていない」と話しました。  検察側は「法律に従って裁判を行う立場にある裁判官が取り引きを敢行したことの影響力は大きい」「金融市場の公平性と健全性を損ない、一般投資家の信頼を低下させた程度は大きい」などと指摘し、佐藤被告に懲役2年、罰金100万円を求刑しました。  一方、弁護側は執行猶予付きの判決を求めました。  判決は26日午前11時半に言い渡される予定です。

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