【名古屋市長選】候補者たちのSNS戦略「デマ」に対する反論動画を配信 毎夜ライブで対話重視の候補者も

2024年11月22日 20:20
24日に投票の名古屋市長選挙ですが、最近の選挙ではSNSの影響力が大きくなっています。活用する一方で、悩みもあります。

最近の選挙では、SNSの影響も注目されている

 名古屋市内の投票所では、22日の午後、区役所の職員らが候補者の名前が書かれた紙を張り付けるなど、準備が進められています。

 24日に投票が行われる名古屋市長選挙には、届け出順に7人が立候補しています。

 「定着をすっかりしたこの名古屋では、減税をやめるという選択肢はありえない。多くの市民の方が継続を求める、だれも損してない」(広沢一郎氏)

 「大塚耕平は3つのゼロ。給食代ゼロ、敬老パス負担金ゼロ、がん検診代ゼロ、この3つのゼロを速やかに実行し、市民のみなさんの手取りを増やす」(大塚耕平氏)

 「尾形慶子は、金持ちまやかし減税をストップします。奨学金を返済を毎月2万円(補助)、給食費は無料にします」(尾形慶子氏)
 

SNSで選挙について調べているという男性(40代)

最近の選挙は、SNSの影響も注目される
 最近の選挙では、SNSの影響も注目されています。

 「基本的にはインターネットで調べる。まずは検索して、候補者のXなどを中心に、どういう考えかとか(調べる)。特にYoutubeや動画になると、熱量も伝わってくるので、他のメディアに比べると総合的にわかりやすい」(40代)
 

選挙を身近に感じてもらうためのイベントを開催

SNSは、若者たちの間でさらに深いつながりが…
 若者たちの間では、さらにSNSとのつながりが深くなります。

 名古屋で行われた、選挙を身近に感じてもらうためのイベントには、大学生約15人が参加。

 候補者たちのインタビュー動画を、SNSで見比べました。

 普段の選挙で候補者を調べるときも、SNSを使います。

 「新聞を少し見たり、スマホでも公約が見られたりするので、短時間でその日の朝に見るだけだったが、そんな感じで(調べている)」(愛知学院大学3年生)

 「ニュースとかで見るのも大事だが、SNSとかで候補者の本音とかを自分で調べた方が、知識としても入ってくると思う。(SNSで)見たことだけをうのみにするのではなく、深いところまでちゃんと自分で調べたり、いろいろな人の意見を取り入れたりして、今後活用していきたいなと思っています」(中京大学2年生)
 

無所属・新人 広沢一郎氏(右)と河村たかし前市長(左)

広沢氏は、河村前市長のYoutubeチャンネルで生配信を行う
 「兵庫県知事選を見ても分かるように、SNSという力、本当に選挙を左右する」(無所属・新人 広沢一郎氏)

 河村たかし前市長とともに話しているのは名古屋市の前副市長、広沢一郎氏。

 河村前市長のYoutubeチャンネルを使って、生配信を行っています。

 「危にゃー危にゃー言ったってしょうがねえぞ、選挙は」(河村たかし前市長)

 「気を引き締めていかなきゃ」(広沢氏)

 河村節も炸裂する中、広沢さんが話したのは。

 「SNSを私のネタで、あふれかえるくらいに出していただければ大変ありがたい」(広沢氏)
 

自身のYouTubeチャンネルで広沢氏の演説を生配信する人も

街頭演説で広沢氏を撮影をしているYoutuberの姿も
 そして、次の日。

 街頭演説では、スマホで広沢氏を撮影をしているYoutuberが――

 Q.何をしに来た
 「ライブ配信をやってます。広沢さんの応援に来ました」(登録者数15万人以上のYoutuber)

 自身のYoutubeチャンネルで、広沢氏と河村前市長の演説を生配信しているそうです。

 さらに、22日朝の街頭演説にも生配信をしているYoutuberが――

 「3泊4日で来て、1回東京に帰ってまた3泊4日みたいな。候補者を応援したいという気持ちが一番強い」(登録者数7.5万人以上のYoutuber)

 「いわゆるYoutuberの方がわざわざ来たり、切り抜きを作ってくれたり。むちゃくちゃ労力を私のためにかけてもらってるんですけど、本当にありがたい。何か私を勝たせたいという、そういうムーブメントが起きているのを感じます。大変励みになる」(広沢氏)
 

大塚氏はSNS機能を活用し、多くの市民に見てもらう工夫をしている

大塚氏は、SNSで自身の政策や考えを伝える
 前参議院議員の大塚耕平氏(65)。

 Xなどに30秒ほどの動画を投稿し、自身の政策や考えのポイントを短くわかりやすく伝えています。

 さらに――

 大塚氏のXでの生配信の映像には街頭演説の様子など、SNSの配信機能を使って、多くの市民に見てもらえるよう工夫しています。

 「ひとつは、どういう活動をしているかを見ていただくというレポート機能ですよね」(無所属・新人 大塚耕平氏)
 

無所属・新人 大塚耕平氏

「デマ」に対して反論動画も投稿
 SNSでは「増税派」「敬老パス廃止」と決めつけられるなど「デマ」も多いといい、反論動画も出しました。

 「選挙におけるSNSのウェイトがかなり高くなってきて、それがいい形で使われるなら選挙や民主主義のクオリティーを高めていくことになるが、あまりにもデマ・誹謗中傷がひどいので、それに対してコメントするとか、そういう使い方もします。つまり反論するためですね」(大塚氏)
 

告示日以降ほぼ毎日、SNSで生配信を行う

尾形氏は、ほぼ毎日生配信を行う
 「尾形慶子のナイトライブ。TikTok・Instagram、今夜も始めたいと思います。いえーい」(無所属・新人 尾形慶子氏)

 政治団体の共同代表、尾形慶子氏(67)。

 告示日以降ほぼ毎日、夜8時以降にInstagramとTikTokで生配信を行っています。

 「質問お寄せください!」(尾形氏)

 すると――

 Q.地下鉄乗るのに、下りのエスカレーターが少なく使いづらいです
 「少ないんですね。上りはしんどいから(ついてるけど)、下りは歩いて帰ると足悪い人とか、結構下りで膝に負担があるとか」(尾形氏)
 

無所属・新人 尾形慶子氏

対話形式で生配信をする意図とは?
 公職選挙法で、拡声器などを使った街頭演説は午後8時までと定められていますが、ネットを使った選挙運動は、何時まででもできます。

 対話形式で生配信をするのには、意図があるといいます。

 「票が1票2票とかそういう問題じゃなくて、リアルな声をやっぱり伝えていきたい。TikTok・Instagramライブも、コメントがどんどん入ってきて、こうしたらいいんじゃないんですかっていう、そういう意見も入ってくるんですよね。ああなるほどってすごく、気付かされることが多いです」(尾形氏)

 選挙戦が終わるまで、夜の生配信を毎日続けます。

 「(今回の選挙戦で)特に訴えたいのが、若者と女性と非正規雇用の人たちと思っている。若い人たちに届くような、沿うような形の発信がしたい」(尾形氏)
 

名古屋市長選の候補者7名

各候補者の訴えは…
 元会社員の太田敏光氏(76)は、名古屋城天守の木造化を中止し、耐震化することなどを訴えています。

 旅行会社社長の水谷昇氏(61)は、巨大テーマパークを誘致して経済を活性化することなどを訴えています。

 元大学講師の不破英紀氏(64)は、診断が難しい、長期の患者への支援などを訴えています。

 元自治大学校教授の鈴木慶明氏(85)は、市民ファーストを掲げ、持続可能な賃上げを進めたいと訴えています。

 名古屋市長選挙は24日に投票が行われ、即日開票されます。
 

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