町長のハラスメント疑惑の実態を証言「交際相手の名前は?」「結婚1年前には言うように」 愛知県東郷町

2023年11月16日 20:02
愛知県東郷町の町長による、職員へのハラスメント疑惑。現役職員がその実態を語りました。面談の場で交際相手の名前を聞かれた職員もいたということです。
「本当に申し訳ありませんでした」(東郷町 井俣憲治 町長)

 記者会見で、謝罪の言葉を口にした東郷町の井俣憲治町長。

 井俣町長は、町の職員らに対して「死ね」「お前ら殺すぞ」などの発言をしたとされています。

 また、職員の1人が自主的に行ったアンケートでは、回答した72人の半数を超える39人が「町長のハラスメントを受けた」または「ハラスメントを見た」と回答していました。
 

愛知県 東郷町 井俣憲治 町長

「死ね」などの発言は「フレンドリーな職場内での冗談」
 録音された音声には、こんな発言もーー

「馬鹿じゃないの、本当に馬鹿じゃないの」
「●●君がやっている仕事はさあ、パートのおばちゃんだってできるんじゃない?3年勤めたら。じゃあ、パートのおばちゃんと同じ価値しかないの」(録音の音声)

 16日の会見で、井俣町長は「パワハラ」の認識についてーー

「東郷町役場は、お互いに冗談が言えるようなフレンドリーな環境でありまして、私自身の認識が甘く、その中で起きた案件だと認識し、深く反省しています」(井俣憲治 町長)

 「フレンドリーな職場内での冗談」だったと説明しました。

 「死ね」などの発言についても「冗談」の範囲だったのか?記者の問いかけに町長はーー

「『お前あほちゃうか、死ね』みたいな感じで出た言葉で、もし、冗談で捉えられなかった人がいたら、お詫び申し上げるしかない。本当に申し訳ない」(井俣憲治 町長)
 

着ぐるみをきた女性職員に抱きついたとの訴えも

女性職員に抱きついたとの訴えも
 また、アンケートにはーー

「着ぐるみごしだからセクハラじゃないよな」

 こう言って、着ぐるみをきた女性職員に抱きついたとの訴えもありました。

「中に入っているのが私自身は誰かわかりません。ハグといいますか…。現状では私の中でそういうセクハラの認識は持っていない」(井俣憲治 町長)
 

愛知県東郷町 井俣憲治 町長

「日頃から冗談を交えて…」
 ほかにもーー

「いつ巨乳になって帰ってくるの?」

 病気休暇に入る女性職員に対してこう発言したといいます。

「日頃から冗談を交えて接していたものですから。彼女がハラスメントと感じていたのであれば、私の認識違い甚だしいと」(井俣憲治 町長)

 “信頼関係”のもとでの発言だったと説明しました。
 

町長に東郷町民はーー

東郷町民は「冗談とはいえ許されない」
 「信頼関係の中での冗談」という町長に東郷町民はーー

「町長たる方がそういった言葉を簡単に発する。冗談とはいえ許されない」(東郷町民)
「町の長だもん。みんなをまとめて町をいい町にする考え方でやっているので、もうちょっと考えなきゃ」(東郷町民)

 今後について、町長は職員が自主的に行ったアンケートは「約7割が回答していない」として、年内にも新たにアンケートを実施し結果をもとに第三者委員会を設置するとしています。
 

東郷町職員の女性

「結婚・出産の1年前には言うように」
「ありえないですね。はっきり言ってありえないと思います」(女性職員)

 町長への怒りをあらわにしたのは、東郷町職員の女性。

 女性は3年前、町長と1対1の面談を受けた後輩の女性職員から「町長のハラスメント」に関する相談を受けたといいます。

「彼氏の氏名・職業・具体的な勤務先、結婚予定の有無を聞かれ、最後これが一番傷ついたみたいだが、『結婚・出産の1年前には言うように』という話で面談が終わった」(女性職員)

 この発言について16日の会見で質問すると、町長はーー

「深く思慮することなく、そういう質問をしてしまったことはあります」(井俣憲治 町長)
 

東郷町職員の女性

町長としてふさわしい感覚なのか疑問
「町長の職務に、いち一般職の職員の交際相手の有無が必要なのかどうか。それが許されると思っている。そういう感覚というのは、町長に本当にふさわしいのかというのが疑われてしまうものだと思います」(女性職員)

 女性は人事秘書課に訴えたといいますが、その後も職員に対する「ハラスメント」発言を耳にすることもあったといいます。

「女性職員に対するハラスメントのトーンは下がったらしいんですけども、男性職員に『お前、俺が面接官だったら落ちてるぞ。ラッキーだったな』と言葉をかけられた職員もおりますので」(女性職員)
 

証言する東郷町職員

職員らに対して謝罪は「10分」
 井俣町長は15日、職員らに対して謝罪を行っていましたがーー

「たった10分だったし、質疑も特になく、『質問のある方はどうぞ』っていうような話もなく、そういう時間も取ってもらえず。また具体的な経緯も詳細も伝えてもらえず。聞きたい事がいっぱいあるところで、もう煮え切らないというか、そういう思いをみんな抱いていると思います。凛として町民の代表であるっていう立場をわきまえた上で、本当にきちっと背筋を正して職務に当たっていただきたいと思います」(女性職員)

(11月16日15:40~放送メ~テレ『ドデスカ!+』より)
 

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