インフルエンザ猛威続き、クリニックで薬不足 医師「乾燥を防ぐことで予防が大事」

2025年1月14日 17:06
依然として猛威を振るうインフルエンザ。東海3県でも警報レベルの患者数が続き、医療機関から「薬が不足している」という声があがっています。
 名古屋市熱田区の「今泉クリニック」には、朝早くから多くの患者の姿が。

「きょうは(子どもが)38℃の熱が出たので来ました。熱が出て真っ赤になったもんね」「うん」(子どもの患者と保護者)
「保育園で流行ってるみたいです」
「(熱は出た?)うん。(しんどい?)うん」(子どもの患者と保護者)

 感染拡大が続くインフルエンザ。

 愛知では、12月23日から29日までの1医療機関あたりの患者数が82.35人。現在の統計方法を始めた1999年以降で、全国とともに最も多い報告数となりました。

 また、12月30日から1月5日までの報告数も、愛知55.97人、岐阜70.67人、三重36.54人と、いずれも警報レベルの数が続いています。

 今泉クリニックでも、患者数が例年の2倍に。

「風邪症状のある人、それ以外にも吐き気や腹痛、下痢といった消化器症状を訴える人がいる」(今泉勲 院長)
 

インフル治療薬の不足に直面する今泉勲院長

タミフルのジェネリックが一時的に供給停止
 患者数の急激な増加にともない、さらに心配な状況が。

 それは「治療薬の不足」です。

「大人は飲む薬が大体2種類あり、あと吸入と言って吸うタイプの薬。子どもの場合は粒の薬が飲めなかったり、吸入の薬は吸いづらかったりするので粉の薬になるが、タミフルおよびタミフルのジェネックは非常に少なくなっている状況です」(今泉院長)

 タミフルのジェネリック医薬品は現在製造が追い付かず、一時的に供給を停止しています。再開のめどはカプセルが2月上旬、粉薬(ドライシロップ)は1月下旬だということです。

 治療薬不足をカバーするため、クリニックは薬局と相談しながら対処しています。

「どういう薬が少ないかを薬局から聞いている。それによって、できるだけ多くの患者に薬を出せるように調節している」(今泉院長)
 

インフルエンザ対策は乾燥を防ぐことが重要

薬不足で「感染予防」がより重要に
 治療薬の不足が少なくとも2月ごろまで続く見込みのなか、今泉院長は「感染予防がより重要になる」と強調しています。

 手洗いなどの基本的な対策に加え、大切なのは、乾燥を防ぐことだそうです。

 乾燥しているとウイルスが浮遊しやすくなり、のど粘膜がウイルスを防御する能力が下がってしまうといいます。 

 加湿器やマスクなどを使って乾燥を防ぐことで、感染しない環境を作ることが重要だということです。
 

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