トランプ関税の影響は岐阜の地場産業にも 美濃焼をアメリカに輸出する窯元「値段上昇に不安と期待」

2025年4月7日 19:06
トランプ関税の影響は、自動車だけでなく東海地方の地場産業にも及ぶ可能性があり、衝撃は広がる一方です。
「トランプ大統領の関税政策の影響はどこまで広がるのでしょうか。アメリカに輸出している美濃焼の窯元を取材します」(上坂嵩アナウンサーリポート)

 岐阜県土岐市の「カネコ小兵製陶所」。100年以上の歴史を持つ窯元にも衝撃が走っています。

Q.焼き物にも関税がかかるのは想定の範囲内?
「全然想定していませんでした。なのでちょっとびっくりして本当にどうしようかなって感じですね」(カネコ小兵製陶所 伊藤祐輝 社長)

 10年ほど前からヨーロッパなど海外での販売に力を入れ始め、2018年からはアメリカでの販売を開始。

 現在は全体の売り上げの10~15%ほどが輸出で、その半分程度がアメリカだということで、影響が心配されます。

「(アメリカでは)流通の費用含めて、日本の販売価格よりも高く販売しているので(相互関税で)輪をかけて値段が上がるのは『どう受け取られるんだろう』という不安はある」(伊藤社長)

 一方で、ひとつひとつ手作りの商品が「高級品として認知されるチャンス」とも捉えています。

「値段だけで買っていた人から“そのもの”を買う人に絞られるということはこれから私たちがカネコ小兵製陶所というブランドを世界に伝えていくためにはもしかしたらいいことになるかもしれない」(伊藤社長)
 

トランプ関税 暮らしでもマイナスの影響でるおそれ

暮らしにとってもマイナスの影響か―
 経済の専門家は、トランプ関税の影響は、アメリカへの輸出だけに留まらないと指摘します。

「中国やベトナムなどアジア諸国もアメリカへの輸出に対して(関税が)かかるということは日本・東海地区からアジアへの輸出も対象国の経済が悪くなれば減る」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 塚田裕昭さん)

 関税政策で輸出が滞ることで、私たちの暮らしにとってもマイナスの影響がでるおそれも―。

「輸出が滞ることで国内の生産が滞る、景気は悪くなる。景気が悪くなるということは家計の収入にもマイナス。株も下がるということになると景気の先行きの見方も慎重姿勢になる。(景気悪化で)物価上昇が落ち着いたとしても我々の暮らしぶりが楽になるという話ではない」(塚田裕昭さん)

 トランプ関税の影響による混乱は、しばらく続きそうです。
 

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