東海道新幹線 なぜ雨に弱い早すぎる運転再開がかえって運転の遅れに…鉄道ジャーナリストが解説
2023年8月17日 17:20
東海道新幹線は17日も一時運転見合わせで名古屋駅の改札前には大勢の人が滞留していました。雨は降っていませんでしたが、なぜ17日も新幹線が止まってしまったのか。鉄道ジャーナリストに聞きました。
東海道新幹線「雨」による運転見合わせ基準
東海道新幹線には、雨による「運転見合わせ基準」があります。
鉄道ジャーナリストの梅原淳さんに話を聞きました。
「沿線などに設置した59カ所の雨量計を用いて、独自の基準を以下4つでまとめている」(梅原さん)
【1】1時間で60mm以上の雨が降った場合
【2】1時間で40mm以上かつ24時間で150mm以上の雨が降った場合
【3】24時間で300mm以上かつ10分間で2mm以上の雨が降った場合
【4】気象庁が配信する「土壌雨量指数」の値をみて判断
⇒ どれか1つでも基準を超えていれば『運転見合わせ』に
「今回は静岡県で16日、約3時間で基準越えが6回あったということで、『運転見合わせ』となった」(梅原さん)
なぜ東海道新幹線は”雨に弱い”のか?(鉄道ジャーナリスト梅原淳さんによる)
東海道新幹線は「盛り土区間」が多い
では、なぜ東海道新幹線は「雨に弱い」と言われているのでしょうか?
「土を盛って地面を高くし、その上にレールを設置する、『盛り土区間』が多く、大雨の影響で陥没や崩壊などのトラブルが発生する可能性が高い」(梅原さん)
東北・上越・北陸新幹線ではコンクリートの高架橋が多い(鉄道ジャーナリスト梅原淳さんによると)
「線路近くの河川が氾濫した場合、影響を受けやすい。一方で、東海道新幹線から約18年後にできた、東北・上越・北陸新幹線では、コンクリートの高架橋が多く、降雨対策が進化しているため、降雨量による『運転見合わせ』は少ない」(梅原さん)
なぜ17日も新幹線が止まった?(鉄道ジャーナリスト梅原淳さんによると)
なぜ17日も新幹線が止まった?
そして17日は、特に雨は降っていませんでしたが、なぜ17日も新幹線が止まってしまったのか、梅原さんによるとーー
・16日の最終便が終点に着いたのが17日の午前4~5時ごろ。
⇒ つまり、17日の始発直前まで運行していた。
・まだ準備が整う前に、17日の運転が始まった。
⇒ 準備が整っていなかったため、“混乱状態”となったのではないか。
梅原さんの見解では、本来は午前中の便をすべて運休にしたほうがよかったが、乗客のために、早すぎる運転再開をした結果、対応できなかったのではと指摘しています。
(8月17日15:40~放送メ~テレ『アップ!』より)