東海道新幹線 始発から運転再開 JR東海が保守用車両衝突の原因などについて会見「理由はまだ不明」
2024年7月23日 17:27
夏休みを直撃した、東海道新幹線の終日運転見合わせ。一夜明けた23日は、始発から全線で運転を再開しました。
22日午前3時半ごろ、東海道新幹線の豊橋駅と三河安城駅の間の上り線で保守用車両同士が衝突し、脱線。
この事故の影響で東海道新幹線は22日、名古屋駅と浜松駅の間の上下線で、終日運転を見合わせ。
夏休みとも重なり、約25万人が影響を受けました。
また、在来線を経由して、移動を試みる人たちも。
豊橋駅では駅構内に入りきれない人たちであふれかえり、長い列ができました。
23日午前6時ごろの名古屋駅
一夜明け運転再開 名古屋駅には一時行列も
一夜明けた23日、朝の名古屋駅の新幹線改札前には、午前6時前から運転再開を待つ人たちの姿がありましたが、しばらくすると列は解消し、目立った混乱はなく、始発から運転を再開しました。
愛知県内にある妻の実家に帰省していた親子はーー
「カラオケ店で時間をつぶしながら待っていたんですけど、復旧のめどが立たないので妻の実家に急きょ戻りました」「きょうは、なんとか午前休をとって、午後から働きます」
福島旅行から戻ったという家族はーー
「浜松で行き止まりになって、浜名湖で泊まって、朝いまやっと着きました」(福島から戻ってきた人)
Q.ホテルはすぐとれた?
「全然空いていなくて、あと1室というところでとれました」
23日朝に浜名湖のホテルから名古屋駅に無事到着し、大きな混乱もなかったそうです。
「良い思い出になりました。これも含めて」(福島から戻ってきた人)
保守用車両同士が追突した現場
なぜ復旧に時間が…JR東海が会見
事故を受け、JR東海は22日夜に会見を開きました。
「夏休みも始まったところだと思います。そんな中始発から、予定されたご旅行に大変なご迷惑を与えたこと、深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ありませんでした」(JR東海 川越洋施設部長)
なぜ、復旧までに、これだけの時間を要したのか―
「油等が漏れていた。その措置も行わなければならなかった。枕木も20本ほど交換しなければならない状態だった」(川越施設部長)
JR東海は、衝突した車両の搬出や、油漏れの処理、枕木の交換作業により、予想以上に時間がかかったと説明。
JR東海 川越洋施設部長
事故の原因は ブレーキかけるも減速できず…
事故の原因については―
「ブレーキ操作は行われていたが、何らかの原因により減速ができなかった」(川越施設部長)
今回、追突した車両は、停まっていた車両と本来は500mほどの距離を保つべきところ、時速40kmほどのスピードで衝突したとみられています。
作業員はブレーキをかけていて、車両同士が接近すると自動でブレーキがかかる安全システムも作動していたといいます。
「システムは動いていましたが、どういう理由かはまだ不明ですが、ブレーキ自体が、かからなかったため、ぶつかったと推定している」(川越施設部長)
国土交通省 斉藤鉄夫大臣
事故前には検査も 事故の原因究明続く
ただ、追突した車両は、名古屋駅を出発してから衝突するまでの間に、6回ブレーキ操作を行っていて、異常はなく、追突した車両は先月、追突された車両は2月に検査が行われていました。
作業員がブレーキ操作をし、安全装置も作動したにも関わらず、一体なぜ停まらなかったのか。
JR東海は、同じ安全システムが搭載されている保守用のすべての車両の安全確認と、事故の原因を詳しく調べるとしています。
この事故で、追突した車両に乗っていた2人がけがをしていて、運転士は首の骨を折り、入院していて、もう1人は足を打撲したということです。
国土交通省の斉藤大臣は、23日会見を開き、JR東海に再発防止策について報告するよう指示したことを明らかにしました。
「国土交通省としては、JR東海からの報告などを踏まえ、鉄道の安全安定輸送の確保、および補修作業の安全確保さらには円滑なお客さま対応に向け、事業者を指導していきたいと思う」(国土交通省 斉藤鉄夫大臣)