竹内すいと荒木菜那、14年の競技生活に終止符 感謝を込めたそれぞれの"ラストダンス"

2024年3月7日 18:08

2月に、2人の大学4年生が競技生活に別れを告げました。ともに14年もの間続けてきた競技生活の裏には、運命の人との巡り合いがありました。

(左)竹内すい選手(右)荒木菜那選手

「なんだこの素敵な世界は…ってなって、もう宝塚が大好きになっちゃって」(大同大学4年 竹内すい)

 宝塚が大好きな、大同大学4年の竹内すい選手。

 1か月に10回近く劇場に足を運んだこともあるほどのハマりっぷり。

 スケートの曲選びで映像を見たことがきっかけでした。

「腕の動きとか目線とか、参考にしたいところはたくさんあるんですけど、できないので」(竹内選手)

 

竹内すい選手

元高校王者の集大成

 宝塚以上に人生で最も、のめりこんできたフィギュアスケート。

 高校1年のインターハイでは──

 なんと大技トリプルアクセルを連続ジャンプにして成功。

 高校日本一に輝くだけでなく、大同大大同高校を創部初の団体優勝に導きました。

 大学卒業を機に引退を決断した22歳には、スケート人生おいて欠かせない存在がいます。

 指導を仰いできた小塚幸子コーチ(オリオンFSC)。

 バンクーバーオリンピック代表、小塚崇彦さんの母親です。

「幸子先生が大好きで。幸子先生とだからこそできたスケートなんで本当にずっと思っているので第2のお母さん」(竹内選手)

「とても素直でとても教えやすい子でした」(小塚コーチ)

 

小塚幸子コーチ

恩師と歩んだ14年

 クラブの移籍が激しいフィギュア界では珍しく、8歳から小塚コーチ一筋で打ち込んできた竹内選手。

 2月末、14年間二人三脚で歩んできた競技生活に、別れを告げる日が訪れました。

 愛知県スケート連盟が開いた引退セレモニー。

 恩師への感謝の気持ちを込めて、習ってきた技術を体全体で表現していきます。

 トレードマークの笑顔で、現役を締めくくりました。

 そして、宝塚の卒業を意識した袴姿であいさつ。第二の人生を明かしました。

「これからは大好きな幸子先生と一緒にスケーターのみなさんのお手伝いができるように精進してまいります」(竹内選手)

 選手からコーチへ、立場は変わっても、小塚先生との歩みは続きます。

「小さい時から私に先生になりたいって…」(小塚コーチ)
「なんとなく…」(竹内選手)
「言っていました。ずっとコーチをするんだと思いながらやったので」(小塚コーチ)

Q.夢が叶った?
「そうですね。先生にずっと教えて頂いたスケーティング・ジャンプ・スピン全部、自分ができることすべてみんなに伝えながら頑張りたいなと思います」(竹内選手)

 

荒木菜那選手

「今までありがとう大好き」

 そしてもう一人、引退する大学4年生がいました。

「ここまで一緒に仲良く一緒にスケートを頑張ってくれてありがとう。今までありがとう大好きだよ」(中京大学4年 荒木菜那 選手)

 フィギュアスケートの名門・中京大学の主将、荒木菜那選手。

 8歳から競技を始めた彼女。一躍脚光を浴びたのは、高校1年のことでした。

 国際大会のデビュー戦、ジュニアグランプリシリーズ。

 高さのあるジャンプを次々に決めると──

 強豪ロシア勢に割って入り2位。世界の表彰台に立ちました。

「ずっと小さい頃から両親とか祖父母には、努力はしなさいというふうに教えられていて、ずっとコツコツ努力してきて、成績を残すことができたことは、これから先仕事とかでもきっと生きてくるだろうなと思っています」(荒木選手)

 

1学年後輩の山下真瑚選手

引退演技は最高の相棒とともに

 大学卒業を機に競技を離れ、一般企業に就職する荒木選手。

 引退セレモニーのプログラムは、前々から振り付けをしてもらう人を決めていました。

「同じ振り付けをやっても全然違う風に見えて、すごくそういう部分は尊敬しているところだったので」(荒木選手)

 自身のプログラムも振り付ける、1学年後輩の山下真瑚選手。

 スケートを始めたころから知る旧知の間柄です。

「親友よりももっと何か仲のいい感じ」(荒木選手)
「何も隠さず言えるお姉ちゃんみたいな存在」(山下選手)

 

(左)山下真瑚選手(右)荒木菜那選手

現役最後のプログラム

 現役最後を飾るたった一度きりのプログラム、練習にも熱が入りました。

「最後の振付師に選んでくれたってことはすごくうれしいし。絶対にいいものを作らないといけないから」(山下選手)

「厳しかったです。ステップは特にすごく切り返しが難しくて、こけずに滑りきることが目標なんですけど」(荒木選手)

 そして迎えた本番。まずはコツコツ努力してきた証を見せると──

 見せ場のステップ。2人の絆で紡いだプログラムで魅了していきます。

 転倒することなく、無事現役を終えた荒木選手。

 しかし、振り付けが少し違ったらしく──

「やり直しです。100点満点中10点ぐらい」(山下選手)
「ひくっ!」(荒木選手)

 それでも、最後の雄姿に実は感極まっていました。

「泣いてたの~?ずっと怒ってると思っていた。本当にいい親友ができたなって思っています」(荒木選手)

 一途にスケートと向き合い、競技を全うした2人のスケーター。

 手にしていたのは、かけがえのない宝物。

(3月7日15:40~放送 メ~テレ『ドデスカ!+』じもスポ!コーナーより)

 

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