JR東海「早期の完成を目指す方針に変わりはない」 株主総会でリニア開業時期めぐり質問相次ぐ
2024年6月21日 17:00
JR東海は株主総会を開き、2027年の開業を断念したリニア中央新幹線について「新たな開業時期は見通せない」と説明しました。
Q.株主総会で聞きたいことは?
「リニアの未来ですね。開業が先延ばしされるのは、とても残念なこと」(株主)
リニア開業2027年断念の発表がされてから、初めての株主総会。
経営陣は、株主にどのように説明するのでしょうか。
品川から名古屋を最速40分で結ぶ、リニア中央新幹線。
この1年でリニアをめぐる環境は、大きく変わりました。
「残念ながら、品川・名古屋間の2027年の開業は実現しないと。実現できないと考えている」(JR東海 丹羽俊介社長)
今年3月、静岡工区の着工の遅れを理由にJR東海は、2027年の開業断念を表明しました。
静岡県・川勝平太前知事
今年4月には、静岡県知事が突然辞任
その翌月には──
「この職を辞そうと思っています」(静岡県・川勝平太前知事)
静岡工区の着工を認めなかった川勝前知事が、突然辞任しました。
株主
株主から質問が相次ぐ
そうして迎えた、21日の株主総会。
Q.株主総会で聞きたいことは?
「静岡県知事が変わって、ようやくここから。進捗や計画について、どう考えているのか」(株主)
「静岡県知事のことがあって、工事が遅れ気味だったので。どのように巻き返していくのか注目したい」(株主)
リニア計画の進捗状況について、株主から質問が相次ぎました。
「新たな開業時期は見通せない」と説明
「新たな開業時期は見通せない」と説明
リニア担当の宇野護副社長は、2027年の開業を断念したことを株主に報告。
「静岡工区は着手の見込みが立っていないので、新たな開業時期を見通すことはできない」と説明しました。
当初の開業時期である2027年を超える工期が設定されるなど、工事の遅れが指摘される中、「早期の完成を目指し、全力で取り組む方針に変わりはない」としました。
JR東海 丹羽俊介社長
「強い思いを感じた」
総会で丹羽俊介社長は、静岡県の鈴木康友知事との会談などを受けて「強い思いを感じた」と振り返り、引き続き地域の理解が得られるようコミュニケーションを取り、真摯に取り組むと語りました。
5月に明らかになった岐阜県瑞浪市の水位低下については、代替水源の確保などの対応を説明し、専門家と相談しながら対応するとしました。
総会では3議案がすべて可決
総会を終えて…
総会を終えて、株主は──
「リニアが今の課題だから。それに関して新しい話が出るかなと期待して来た。2027年に無理だとしても、何年遅れたら実現するのか。目標がこれぐらいとか、そういう返事が聞ければよかった」(株主)
「未発注の工事もあって、なかなか難しい部分もあるみたいだが、早期開業してほしいと思っている」(株主)
総会では、取締役12人の選任などの3議案がすべて可決されました。