“天気痛ドクター”が「梅雨だる」解説 梅雨に増える気象病 例年以上のつらさに対応策は
2024年6月25日 12:59
梅雨に増える気象病「梅雨だる」。豪雨のあとの急な暑さなど、極端な天候により、今年は例年以上につらい人が多いと専門家は話します。
頭痛のイメージ
新緑の葉をぬらす雨。
6月21日、気象庁は東海地方が梅雨入りしたとみられる、と発表しました。
去年より23日遅く、平年と比べても15日遅いということです。
こうした季節の変わり目は、体調不良を訴える人が増えるといいます。
愛知医科大学病院 佐藤純医師
今年の梅雨は例年以上
「患者は口々に『この梅雨はきつい』とおっしゃっていますね。一番多いのは『だるさ』ですね。頭痛の症状も、もちろんあるが、やはり梅雨に特徴的なのは『だるさ』や『眠さ』とか。」(愛知医科大学病院 佐藤純医師)
そう話すのは、愛知医科大学病院の「天気痛ドクター」である佐藤純医師です。
佐藤医師は30年以上、天気と痛み、自律神経との関係を研究しています。
「梅雨の季節は湿度が高くなり、気圧が下がっていて、それから日によっては寒暖差があり、その3つが重なり症状を悪化させる。急にジメジメしてきたので、天気痛や気象病を持っている人は、湿度が高いのが苦手な人も多い」(佐藤医師)
梅雨時に感じる不調
女性のほうが不調を感じやすい
養命酒製造が「梅雨時の不調」に関するアンケートを行ったところ、女性のほうが男性よりも不調を感じる人が多く、症状で最も多かったのは「疲労感や倦怠感」でした。
名古屋の街でも聞いてみると――
「けっこう気圧が低いと、頭痛になりやすくて」(40代)
Q.どういうタイミングで頭痛がするか
「天気予報で、翌日に雨が降るとわかったタイミングで頭痛がする」(40代)
Q.梅雨になったが、体調の変化は
「くもりとか、雨降る前は頭が痛くなるなっていうのが多い」(20代)
Q.なにか対策はしているか
「きのうホットアイマスクで、目を温めてちょっと良くなるみたいな」(20代)
オススメは1人でできるマッサージ
「梅雨だる」を防ぐには?
「このところの梅雨は激しい雨が降り、線状降水帯ができたり、急に暑くなったりする。もちろん湿度は高いわけです。そうすると、気圧も上がったり下がったりしますので、例年よりも、きつい症状が出ていると言える」(佐藤医師)
こうした梅雨時の不調、「梅雨だる」を防ぐためにはどうすればいいのか。
佐藤医師が勧めているのは、1人でできるマッサージです。
「くるくる耳マッサージという方法なんですが、梅雨の季節なら毎日のように、気がついたときにやっていただければ」(佐藤医師)
くるくる耳マッサージ
「くるくる耳マッサージ」が効果的
耳の奥にある「内耳」という部分に、気圧のセンサーがあると考えられていて、マッサージをすることで血行などをよくすると、気圧の変化を感じにくくなるのだそう。
マッサージは、まず耳を上下に5秒ずつ引っぱったら、横にも5秒。
そして5回くるくると回し、耳のまわりも動かすのがコツです。
さらに耳を上下から5秒はさみ、最後に手のひらで耳を覆い、くるくると5回まわしたら終了。
特に梅雨時は頭痛に悩まされている、という人に効果的です。
梅雨だる予防には水分補給や湿度管理が重要
予防には、水分補給や湿度管理も重要
また「梅雨だる」の予防には、水分補給や湿度の管理が重要だと佐藤医師は話します。
「『梅雨だる』の一番の原因は、湿度が高いことによって、汗が出にくくなったり、体から水分が蒸発しづらくなってくるので、できるだけ汗をかけるようにしておくのが重要なんですね。やはり自律神経が乱れやすいので、朝ご飯をちゃんと食べて、夜は寝苦しくないように除湿しながら寝るとか、睡眠時間を確保していただくということが予防になると思う」(佐藤医師)