伊勢湾台風の新たな被害映像か、寄贈された8ミリフィルムから見つかる 道路に丸太、防災頭巾の人々も

2024年9月24日 19:42

65年前に東海地方を襲った「伊勢湾台風」。その被害の様子を撮影したとみられる、新たな映像が愛知県大府市で見つかりました。

 「当時の伊勢湾台風の様子が映されていると思われる8ミリフィルムです」(大府市歴史民俗資料館 水谷理耶子 学芸員)

 愛知県大府市の歴史民俗資料館の水谷さんが見せてくれたのは、8ミリフィルム。

 デジタル化した映像を見せてもらうと「伊勢湾台風 十五号」という文字が見えます。

 「家屋が全壊している様子も印象的なんですけれど、みなさんが防災頭巾をかぶって、避難している様子も印象的です。当時ならではの、被災の様子がうかがえる映像かなと思います。大府には大きい川や道路はないので、名古屋市のものでいいかなと思います」(水谷学芸員)

 泥にまみれた道路を走る車。道路には大きな丸太が転がっています。

 約5分間、65年前の1959年に東海地方を襲った伊勢湾台風の被害の様子とみられる映像が残っていました。

 

伊勢湾台風の直後とみられる映像。路上に巨大な丸太がある(大府市歴史民俗資料館提供)

死者・行方不明者5000人超の大被害、少ない映像

 こちらの資料館で去年、8ミリフィルムを映し出す機械の寄贈を募っていたところ、東浦町の80代男性が機械とともに8ミリフィルム23枚を提供してくれたということです。

 その後、業者にデジタル化を依頼し、モニターで見られるようになりました。

 撮影したのは男性の父親で、当時住んでいた名古屋市を撮影した可能性が高いということです。

 「お父さんが大事にしてきたものが、収蔵されてひとつ親孝行ができてうれしいと言っていました。とても貴重な資料の一つだと思いました」(水谷学芸員)

 死者と行方不明者が5000人を超えるなど甚大な被害が出たにも関わらず、当時を知るための映像は数少ないのです。

 資料館では、映像の詳しい情報を集めたいと考えています。

 「今でも災害の被害はとても大きいので、いま一度、防災へのきっかけや意識が高まればと思っています」(水谷学芸員)

 

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