「ぴよりんあん巻き」でウズラ卵を応援!学生たちも新レシピ考案で需要回復向け動く
2024年11月9日 15:05
食事中に子どもが喉に詰まらせた事故がきっかけで出荷量が落ち込んでいる「ウズラの卵」。全国トップクラスのウズラの産地・豊橋市が生産農家を応援しようと町ぐるみでPRを始めています。
愛知県豊橋市にある「豊橋調理製菓専門学校」で行われていた料理コンテストでは毎年、地産地消をテーマに開いていて今回、5つの食材のひとつにウズラの卵が選ばれました。
豊橋市はウズラの卵の生産が全国シェアでトップクラスですが、今年は苦境に立たされているんです。
今年2月、福岡県の小学校で児童が給食に出たウズラの卵をのどに詰まらせ、死亡する事故がありました。
事故の影響で学校給食でウズラの卵の使用を控えるケースが増え、豊橋市の一部農家では出荷量が去年と比べ、3分の1まで減少した月もあったといいます。
愛知県東三河農林水産事務所 平田久士さん
「水煮の在庫が積みあがっている状況で、例年の1.7倍程度の在庫がある。なかには生産調整ということで、ウズラを処分している農家もいると聞いている」
今回、愛知県はウズラの卵を多くの人に食べてもらおうと学生たちの力を借りて新しいレシピを開発します。
うちょこ
学生たちのアイデア光る逸品
夜間部調理師科2年 夏目和也さん
「中はウズラでチョコでコーティングしている」
2年生の夏目さんはすこし塩味を付けたウズラに、甘いチョコを合わせた洋菓子。その名も「うちょこ」で勝負します。
夏目さん
「インパクト重視というか、スイーツ系でもウズラって使えるかなと。ウズラの卵はつるっとしているので、コーティングが難しい。そこが特に苦労というか、大変だったところ」
試食した審査員の1人は…。
愛知県東三河総局 打田淳さん
「ウズラの卵の新鮮な味と甘味がマッチしていい。ウズラの卵の食べやすさが出ている」
ほかにも味付けしたシラスの上にウズラの卵をトッピングした丼や、ウズラの卵を中に入れたパンなどオリジナリティあふれる16作品が出そろいました。
そしてウズラ部門の優秀賞に輝いたのは調理師科1年・榎本勇希さんです。
榎本さん
「ウズラを中心にしたその外側に白玉団子を薄く巻いて、みたらし団子みたいに作った。ウズラがあまり使われてないと聞いて、自分も何か手助けになるかなって、ウズラを使ってみようと思って考えました」
ほかの優秀作品とともに料理レシピサイト「クックパッド」に紹介される見込みです。
ぴよりんあん巻き
名古屋のぴよりん×豊橋のあん巻きでウズラを応援
ウズラの卵を救おうと地元老舗和菓子店も立ち上がりました。
「お亀堂」は人気のあん巻きで、地元発祥のお菓子とコラボした「ブラックサンダーあん巻き」を販売しています。そして、10月から販売を始めたのが名古屋名物「ぴよりん」とコラボした「ぴよりんあん巻き」。実は中に詰まっているカスタードのあんに秘密があります。
お亀堂 森愼一郎会長
「あん巻きにウズラの卵を使ったカスタードあんを挟んでいる」
これまでにも規格外の果物を使用するなど商品開発で農家を応援してきた「お亀堂」。
森会長
「ぴよりんは名古屋コーチンを使っていますので、豊橋は『やはりウズラだろう』と。誤嚥事故があってから、なかなかあの需要が伸びないって話も聞いていますので、ぜひともウズラの卵を入れた”ぴよりんあん巻き”を作ろうということで開発がスタートしました」
ウズラの卵黄は通常の卵と比べて味が濃厚…!?
白あんと混ぜる割合を試行錯誤しながら、食べやすさを追求しました。
10月11日の販売開始からすでに1万5000個以上を売り上げ、ほぼ1カ月で約1万個のウズラの卵を使用しました。
森会長
「地元豊橋で商売をしているので農家さんや養鶉組合と一緒にできるものがあればということで企画している。”ぴよりんあん巻き”をなんとか軌道に乗せていけたらなと思っております」
町を挙げての支援の輪にウズラ農家は。
豊橋養鶉農業協同組合 幡野真也さん
「一個人・企業で動いても難しいところがあるので地域一丸で応援してもらうことは感謝しているしありがたい」