年末年始は“空き巣”に注意 旅行先をSNSでアップ 犯罪者に見られている可能性も
2024年12月30日 11:04
まもなく年末年始、旅行や帰省などで家を空ける方も多いと思います。愛知県は、空き巣の被害が全国で2番目に多いんです。空き巣の「予兆」と対策とは?
住宅を狙った犯行が相次ぐ
名古屋市千種区の、とある住宅では、黒い車から降りた人物が、雨が降っていないにも関わらず傘を差し、顔を隠すようにしてインターホンを押しています。
その後一旦、車に戻ると、手にバールのようなものを持って玄関に向かいました。
カメラの向きを変えた後に住宅に侵入すると、在宅していた女性が大声で叫んだため、この人物は逃げていったということです。
住宅を狙った犯行。家の中で鉢合わせていたら、命に危険が及んでいたかもしれません。
愛知県の侵入盗発生状況
被害額は約29億3000万円
愛知県警の最新の統計では、今年の住宅を狙った侵入盗は全国ワースト2位の1145件。
また、被害額は約29億3000万円にのぼります。
5つのエリア別の発生状況は、名古屋で28.6%、西尾張で24.7%、西三河で22.1%となっています。
名古屋を中心に、県内の広い範囲で発生しています。
とどまることを知らない侵入盗の現状について、街の人は――
「(ワースト2位というのは)ちょっとびっくりしました。東京とかの話かと思っていた。そんなにワーストが高い順位だと全然知らなかった」(30代)
「門の外に不審な車がいたり不審者がいたりしたら、近所にも『こういう人いたよ』と声をかける。不審者については、特に年末なので気を付けている」(70代)
金庫の中の現金約800万円を盗まれる
「泥棒にあうとは夢にも思わなかった」
「この扉を破って、土足で上がって2階に上がったようです。そのまま一気に一部屋を狙っていった」(被害にあった男性)
去年5月、空き巣の被害にあった男性は、部屋に置いてあったブランド品のバッグや金庫の中の現金約800万円を盗まれました。
「まさか泥棒にあうとは夢にも思わなかった。しまっておいて、何かに使おうと思っていたら、すべてとられてしまった。びっくりして、うわーやられたと思った」(被害にあった男性)
被害にあった男性
犯行はわずか5分
事件の後、男性は駐車スペースなどに防犯カメラを2台追加。
さらにすぐに割られないように、家のガラスをすべて強化ガラスに取り替えたといいます。
「(犯人が家に)万が一入ろうと思っても時間がかかる。それで警察が来るまでの時間を稼げると思って。今はちょっと安心している」(被害にあった男性)
犯行はわずか5分ほど、ブランド品などが置いてあった部屋だけが狙われたといいます。
「ここの部屋に一気に来たということは、(家の)情報が漏れたのではないかと思う。知っている人しか、この部屋には来られないと思うので」(被害にあった男性)
事件との関連は明らかになっていませんが、被害の約2週間前、この部屋で、買取業者に時計などの査定を依頼したといいます。
点検を装って、住宅の出入り口や窓を把握されることも
“下見”が事前に行われている可能性も…
強盗や侵入盗事件では、“下見”が事前に行われている可能性があります。
防犯アドバイザーの京師美佳さんは、犯人側が「無料点検」などとうたい、リフォーム業者を装うケースがあるといいます。
「家族構成、在宅時間、資産状況などを聞き出したり調べたりして、それをネタに犯行に及んでいる」(防犯アドバイザー 京師美佳さん)
点検を装って、住宅の出入り口や窓を把握されることもあります。
他の人物と共謀し、横浜市の集合住宅の一室に侵入し、現金2万6000円あまりや、ネクタイピンを盗んだなどとして逮捕・起訴された、小澤喬次被告(29)。
警察によりますと、匿名性の高いSNSなどを通じて実行役に「住宅の間取り」や「住人の不在時間」、また「金目のものがあるかないか」といった“情報”まで提供していたとみられています。
防犯アドバイザー 京師美佳さん
SNSは犯罪者も見ているので注意
専門家は、SNSの使い方次第では個人情報が犯罪者に知られてしまうことがあるといいます。
「SNSは犯罪者も見ているので、個人情報を掲載しない。例えば、どこに旅行に行っている、どんなものを買った、どんなところで食事をしている、全て見られている可能性があるので、そういったことも注意する必要がある」(京師さん)
また、犯罪者グループの間では過去に詐欺被害にあった人の「リスト」が出回っているといいます。
「リストにして、犯罪者に販売をしているような人もいる。家のことや個人情報などを電話や訪問で聞かれた際には、絶対に答えないということが必要になると思います」(京師さん)