ふるさと納税は”ガチャ”に”おっちゃんレンタル” 20億円呼び込む岐阜県飛騨市の取り組み
2024年12月20日 18:49
今年も残りわずか。毎年この時期になると駆け込み需要が高まるのが、ふるさと納税です。
寄付を受ける自治体も、年末を前に対応に追われています。
「1年で一番多く寄付をもらえる季節なので、12月だけでも3万件の寄付を毎年もらっている」(飛騨市 ふるさと応援課 上田昌子さん)
飛騨牛や飛騨高山ラーメンなど、様々な特産品が有名な岐阜県飛騨市。
その寄付額は昨年度で約20億円と、県内3位の人気になっているんです。
ふるさと納税の受入額を増やしている理由は「ユニークな返礼品」。家具メーカー「カリモク家具」とコラボし、地元産の木材を使った高級家具。さらに「おっちゃんレンタル」というアユ釣りの達人など、「おっちゃん」に会える体験型の返礼品もあるんです。
ドキドキワクワクな“返礼品ガチャ”
そんな中、今年6月から新たにユニークな返礼品が登場!
「“ガチャ”でふるさと納税の返礼品が届くサービスを始めた」(上田さん)
カプセルトイが映った画面、当たったのは飛騨牛。くじ引きでランダムに返礼品が当たる、“返礼品ガチャ”を始めました。
「何が当たるかわからないので、ドキドキワクワクする時間を提供させてもらいたい」(上田さん)
くじは「飛騨牛と日本酒」か「飛騨の名産品詰め合わせ」の2種類から選べます。
「飛騨市は返礼品の数が多くて1000を超える。飛騨市に来てもらえる機会があるといい」(上田さん)
返礼品の傾向に変化が
「ふるさとチョイス」では76万点以上の返礼品を紹介しています。毎年、肉や魚介類が常に上位を占めるなか、今年はいつもと違う傾向になっていると言います。
「去年おととしは牛肉が1位だったんですけれど、今年は昨今の物価高騰がある」(「ふるさとチョイス」広報 大橋潤さん)
今年の寄付件数トップはコメ。市場価格はいまだ倍近い状況です。
「特に8月はコメのカテゴリーですと2023年と比較して2.2倍の寄附金額の伸び率となった」(大橋さん)
また、元日に発生した「能登半島地震」や8月の「南海トラフ地震臨時情報」の影響か、防災グッズの返礼品も注目が集まっています。
「簡易トイレの伸び率が非常に大きかった。ふるさと納税を活用して地域の防災グッズを賢く調達しようとして目に留まった方が多くいた」(大橋さん)
多気町の“訳あり”の次郎柿
今年は“訳あり”もポイントに
「防災用品」「物価高」のほかにも今年の返礼品のポイントとなったワードが「訳あり」。
「訳あり」の商品は去年と比べて約2.1倍の出品数となっているということです。
ではどんな返礼品があるのか、岐阜県白川村は「飛騨牛の切落し」です。通常1kg3万円が2万5千円となっています。この理由は不ぞろいであったり、部位がお任せのためということです。
北海道雄武町のホタテも1.2kgで通常2万円が1万4000円になっています。形が不ぞろいだったり、ものが小さいのが理由となっています。
そして、三重県多気町では「次郎柿」。通常1万円で6~7kgが、10kgになっています。その理由は表面にキズがあるため。
この多気町の“訳あり”の次郎柿。今年初めて出品したところ、1週間ほどで200ケースの注文がありました。最終的には800ケース受注して、在庫はゼロになったということです。担当者によりますと「直販所などでも販売するが、売り切ることができない規格外品。これを全国の人に食べてもらうことができてありがたい」と話していました。
そしてリピートの希望が多かったということで、来年用の予約も開始しているということです。