相次ぐ“緊縛強盗”事件、3日も千葉県で一軒家が狙われました。手口が多様化し狂暴なものに― ■千葉でまた強盗 顔面殴り暴行 「警察がここ割れていますよと」 Q.割って？ 「中に入った」 3日朝、強盗犯に襲われた時の様子を話す被害者の家族。「兄が暴行を受けている」と警察に通報しました。 （被害者の家族）「暴れた音がしたから…暴れている音としゃべっている声が、怒っているような」 3日、午前4時半ごろ、千葉県四街道市の住宅に男が侵入。50代の男性に金を出すよう脅したうえ、顔面を繰り返し殴り、現金約1万2000円を奪い逃走しました。男性の命に別状はなく、母親と弟にけがはありませんでした。 （被害者の家族）「俺が見たのは1人、母親が見たのも1人、兄貴が見たのも1人」 通報から約3時間後。付近の防犯カメラの映像には…画面左手に向かって進む2人の警察官。その後も続々と…ほどなくして男が身柄を確保される様子まで… 警察は現場付近で、事件にかかわったとみられる28歳の男を確保。容疑が固まり次第逮捕する方針です。男はスマートフォンで指示を受けながら、犯行に及んでいたということから、警察は闇バイトによる相次ぐ強盗事件との関連性があるとみて調べています。 ■回収役の女「犯罪で得た金を…」 今月に入ってからも東京・葛飾区など強盗事件が連日発生していますが、新たな逮捕者も出ています。 木本美穂容疑者は、先月15日、仲間と共謀し横浜市の後藤寛治さんの自宅に侵入して後藤さんを殺害、現金などを奪った疑いが持たれています。 「犯罪で得たお金を回収しました」 警察によると木本容疑者は、現金の回収役とみられ、この事件で既に逮捕されている実行役の供述や、受け渡し場所附近の防犯カメラ映像から木本容疑者が浮上したといいます。 「一緒に強盗したことは否定します」 警察は回収役として新たな逮捕者が出たことから、指示役の特定に向け捜査を続けています。 ■”勧誘役”の男 自身も闇バイト応募 さらに2日、一連の強盗事件で初めて実行役を勧誘する“リクルート”役の男が逮捕されました。 「人を紹介する仕事をした。金に困ってやった」 強盗致傷などの疑いで逮捕されたのは、愛知県の会社員、名倉優也容疑者31歳。 先月1日、埼玉県所沢市の住宅で、この家に住む85歳の男性を暴行した上、現金約16万円を奪った強盗事件。名倉容疑者は実行役に強盗するよう犯行を後押しした疑いなどが持たれています。 「所沢の強盗事件で逮捕された人を紹介した」 SNSで「ホワイト案件」、「リスクはない」などと実行役を募集していたという名倉容疑者。強盗グループの“リクルート役”とは　　　　　　　　　どの様な立場なのでしょうか？ 特殊詐欺の内情に詳しい人物はこう指摘します。 （特殊詐欺の内情に詳しい人物）「闇バイトで募集したリクルート役もいる。キャバクラの女性を集めたり、リクルートする人間がいるでしょ、スカウト。それがリクルート役、簡単に言うと。リクルート役もノルマがあって、何人集めてきたらお金をいくら払うという感じ。組織の中としたらリクルート役が上と直結しているとは全く思っていない。単に人集めの人間。」 この人物によると組織によってはリクルート役の上にもリーダー的な役割の人物がおり、指示役に繋がるまではまだ壁があるといいます。 （加藤聖也記者）「名倉容疑者は知多市内の実家で母親と2人暮らしでした。近隣の方によると挨拶はハキハキとしていて好印象だったといいます。」 Q.名倉容疑者はお金に困っていたようだが？ （名倉容疑者と同じ食品会社に派遣されている人）「他の会社とか工場よりも基本的な時給が2、3割くらい安いと思う。」 捜査関係者によると名倉容疑者は自身もSNSの闇バイトに応募していて、既に報酬も受け取っているといいます。 ■凶悪化の背景「素人でリスク考慮なし」 一方、1日、千葉県市原市のホテルで起きた強盗殺人事件。死亡した女性は、手を縛られたまま首や腹を切りつけられていて、首には紐のようなもので絞められた痕も残っていたことが分かりました。 また、先月横浜市で起きた強盗殺人事件でも、被害者の上半身を中心に複数の骨折があり、警察はキャッシュカードの暗証番号を聞き出すために激しい暴行を加えたとみています。 一連の闇バイトを発端とした強盗事件が“凶悪化”している理由について元埼玉県警の佐々木成三さんは― （元埼玉県警・捜査1課　佐々木成三さん）「やはり素人が集まるので、現場の同調圧力だったりとか、指示役の指示に従順に従うということで、暴行がエスカレートして、それが被害者を死に至らしめるような暴行になってしまうということが、素人の犯罪手口の一番怖いところじゃないかなと思っています。闇バイトに申し込む若者がいる以上は、今後もこういった事件が起きる可能性は十分あるなと」 11月3日『有働Times』より