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名古屋テレビ 放送番組審議会だより
このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回(8月と12月は休会)開催されます。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時35分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。
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- 今年度の放送番組審議会委員
<2011年9月分>
第527回 名古屋テレビ放送番組審議会
- 開催日
- 平成23年9月14日(水) 15:30~17:30
- 委員
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- 委員長:谷川憲三
- 副委員長:小林かおり
- 委員:大野智彦・松浦好治・関口敦仁・柘植康英・池田桂子・諏訪哲史
議事の概要
(1)業務報告
- 社長挨拶(荒木社長)
- 第17回PROGRESS賞 全国審査報告(事務局)
(2)審議テーマ
- 「震災報道とテレビ報道」について
- その他
委員の主な意見です。
- 今回の大震災報道で視聴者が知りたい情報が十分発信されていなかった。報道する側と視聴者の「こういうことを知りたい」という思いとの間にギャップがあったのではないか。それを今後報道側がどう考えていくのか、今までの考え方を変え、それを視聴者に示す必要があるのではないか。
- 震災初期は圧倒的な津波映像ばかりで、内陸側の被害には触れられていなかった。その後は福島の原発事故ばかりで、震災の被害を幅広く報道する配慮が欲しかった。
- 今回被害が広域に渡ったので、系列ごとの代表取材、分担取材ということを考慮しても良かったのではないか。
- 被災地における盗難、略奪のニュースはもっとあってよかった。また悲惨な現場の状況、遺体の映像が流されなかった背景についても教えて欲しい。「日本は安全だ」というメッセージをもっと外国へ発信するべきではなかったか。
- 初期の原発報道、その後の経過報道を見ると、放送業界に専門家があまりいないこともあって、視聴者に不安を与えず、しかも正確なデータに基づいた報道をするのは大変難しいと感じた。局でそういう分野の専門家を育成していくことが重要だと思う。国の発表にもっと疑問の目を向けてよかったのではないか。ただ視聴者がパニックにならないよう報道した姿勢は評価される。
- 原発を推進した自治体が、被害者であると同時に加害者でもあるという構造、関東周辺の消費者がある意味加害者的な側面を持っているといった複雑な構図が見えてきたが、そういう問題をみんなが共有できるような報道をしていたのは評価できる。
- 現場のライブを見守った大震災発生当初から半年が経ち、この地方と被災地との関わりが数多く報道されるようになったことで、震災への距離感が縮まった感じがする。被災者が問題点を解決し、次へのステップを踏む多くの例をこれからもドキュメントして欲しい。
- 「YouTube」に流されるような津波映像を今後どういうように活かしていくのか、被災者にとっては心の傷になっていることを踏まえ、もう一回考えていって欲しい。
- 自分だけが何故助かったのか、という罪悪感を希薄化してしまう報道が多い。人間が隠し持っている闇の部分、抑圧された罪と悪が顕になるようなドキュメンタリーが見たい。
- 「頑張ろう日本」「よみがえれ東北」をテーマにした報道は、日本全体にエールを送るという意味では良いが、視聴者に「対岸の火事」のように感じさせ、大きな問題が見えにくくなってしまうのではないか。
- 「報道ステーション」で原発の賛否を問うコーナーをやっているのは良い。また朝日新聞の三浦さんが「歴史をなぜ学ぶのか、今こそ歴史から学ぶものがある」というコメントしたのは、これこそ今の日本に必要な言葉として心に残った。
- この間「菅おろし」「政局争い」ばかりを続けた政治報道は、いかがなものか。
- これから震災報道はどうあるべきか。ありきたりのステレオタイプではなく、感情的ではない報道をしていって欲しい。
局側は
- 当社では、今回の大震災報道で、3月11日から8月まで174日にわたって述べ1298人のスタッフが現地応援取材をし、またこの地方の関連ニュースを「UP!」で集中的に放送した。
- 被災地では、相手が不安定になったらインタビューを打ち切る、原則として子供へのインタビューはしないなど、被災者の立場を最大限尊重し、その心情に配慮した取材を今まで以上に心がけた。
- 分担報道の必要性は検討に値すると思うが、競争のダイナミズムが報道を進化させてきたということもあり、現実的にはかなりハードルが高いのではないか。
- 影響力の大きい地上波メディアでは、遺体映像を使用しないことが多い。遺体を放送しないことが、ある意味を持ってしまうこともあり、今後、視聴者にお断りをした上で放送することも考えられる。
- 災害報道・防災報道はテレビの最も重要な機能。緊急地震速報、津波注意報は、視聴者の命を救うことにつながる。そのため当社では、正確でスピーディな報道をするため、昼ニュース終了後毎日、緊急地震速報が入ったという想定で放送対応の訓練をしている。
- 防災マニュアルを作成しているが、今回の規模の災害に対しもっと実践的に対応できるよう、また事業継続計画的な側面もしっかり考えたものに改定する。
- この地方にとっかかりがあり、被災地に関係したことを、今後もいろいろな角度から取材・放送していきたい。
などと答えました。
(3)次回開催予定
次回の放送番組審議会は平成23年10月12日(水)午後3時30分~
審議テーマ…『ザキロバ!アシュラのススメ』毎週火曜日 深夜0:20~放送