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名古屋テレビ 放送番組審議会だより

このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回(8月と12月は休会)開催されます。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時00分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。

<2016年1月分>

第570回 名古屋テレビ放送番組審議会

開催日
平成28年1月13日(水) 15:30~17:00
委員
  • 委員長:関口敦仁
  • 副委員長:諏訪哲史
  • 委員:町田健、牛田千鶴、山本亜土、種橋潤治、長谷川ふき子

議事の概要

(1)業務報告

  • 社長挨拶
  • 放送基準改正報告
  • 2015年間視聴率報告

(2)放送基準改正

  • 「日本民間放送連盟 放送基準」が一部改正されるのに伴い、「名古屋テレビ放送 放送基準」の改正が諮問され、『妥当である』との答申があった。

(3)審議テーマ

  • 『テレメンタリー2015 闘病記は撮らせない ~ALSになったJリーグ社長~』
  • その他

委員の主な意見です。

  • この番組は、突然の病に冒されながらも同情を求めるのではなく、社長としての使命感に燃える、強い意志を持った一人の男の人間ドラマに仕上がっている。
  • 全体を通して、30分の番組としては密度の濃いものであった。
  • 進行形で動いてゆく現実のなか、捉え続けていった集積を、事実のまま見せることを貫き通したという意味で、この番組はドキュメンタリー足り得ている。
  • 企業経営に携わる者としては恩田さんの心中は察するに余りある。これを番組では飾ることなく、演出することなく、美化することなく、クールにとらえている印象だ。
  • 評価したいのは、こうした番組にありがちな、医療関係者にこの難病に関するコメントを求めていないことだ。社長としての生き方を伝えたいという番組の制作意図を反映し、人間に対する強いメッセージを感じた番組だ。
  • 会社経営と闘病の両面が映っており、痛々しく、ある面残酷で同情を禁じえない。そういう意味では見ている人の胸を打つドキュメントになっているが、制作者が「何を言いたかったか?」が良く分からなかった。
  • 「闘病記は撮らせない」という番組タイトルだが、やはり闘病記を撮っているように見える。
  • イントロが終わり、これから本題に入るのだろう。というところで番組が終わってしまったというのが正直な感想だ。
  • 30分という放送時間が短過ぎたのではないか。あれもこれも切り貼りで盛り込んだ印象で、視聴者に「結局何を伝えたかったのか?」がやや釈然としない番組構成になってしまっていた。
  • 「ドキュメントとして淡々と撮らなければいけない」というような“カメラ目線の冷たさ”みたいなものがどうしても出てしまって、最終的に「自分は何を観たのだろう?」という気にさせられてしまった。そこが気になる点だった。
  • 「難病になっていなかったらドキュメンタリーを撮ろうと思ったか?」という点で、恩田さんという被写体と撮る側とに齟齬があって、恩田さん自身がこの番組を観た時に、恩田さんの本意だったかどうかが疑問だ。
  • 会社経営とサッカーチーム運営、この乖離のなかで恩田さん自身が悩んだところをもっと聞いてみたかった。彼自身のベクトルがどこを向いているのか?についての発言が聞きたかった。番組を観ていてもこれが無かったのが物足りなかった。
  • ALSというのはコミュニケーションが取れ難くなってくる病気なので、淡々とドキュメントしてゆく形が本当に良いのだろうか?番組として応援する形で、恩田さんが本来言いたいことを言えるような場を設けてゆくようなやり方もあったのではないか。

局側は

  • あくまでも恩田さんが社長として仕事をしているところを取材しようと心掛けた。そして恩田さんの代弁者になることなく、敢えて一歩引いて、第三者的目線で映像を構成することに留意した。
  • サッカークラブチームの経営者として奮闘している、一人の人間の姿を客観的に見せることで、結果としてALSという病気が残酷な病気であるということを表現できないか、と考え番組を制作した。
  • 恩田さんの社長としての思いを、恩田さん自身の言葉で語ってもらう方法を取ったので、社長として活動する具体的な映像が少なく、「社長として何をしていたのか?」が表現し切れていなかったと反省している。
  • 番組制作にあたっては、ナレーション等で制作者としてのメッセージを込めることをやめてしまい、番組を観ている人に委ねてしまった。このため「番組を通じて一体何が言いたかったのか?」という印象を持たれてしまったかも知れない。

などと答えました。

(4)次回開催予定

開催日時:2016年2月10日(水)午後3時30分~