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名古屋テレビ 放送番組審議会だより
このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回(8月と12月は休会)開催されます。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時00分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。
- 今月の番審だより
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- 今年度の放送番組審議会委員
<2016年10月分>
第578回 名古屋テレビ放送番組審議会
- 開催日
- 平成28年10月11日(火) 15:30~17:00
- 委員
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- 委員長:安村仁志
- 副委員長:諏訪哲史
- 委員:山本亜土、種橋潤治、長谷川ふき子、山口眞里、小川明子、鈴木貴之
議事の概要
(1)業務報告
- 社長挨拶
- 2016年度上期視聴率報告
- 10月改編について
(2)審議テーマ
- 『テレメンタリー2016 ゲンよ、中国に渡れ ~被害と加害の狭間で~』
- その他
委員の主な意見です。
- 坂東さんの中国語翻訳への取り組みの経緯や苦労などを含め、戦争を起こさせないために努力する人たちに焦点を当てたドキュメンタリーとして、うまく表現できているのではないかと思う。
- 事実とか経過とかは伝わってきているが、これで何が主張したいのだろうと考えると、よくわからなかったという率直な感想を持った。
- メインは「はだしのゲン」の翻訳の話だが、原作者・中沢さんの思い、被爆、日本の戦争責任、現在の日中関係など大まかに言っても5つくらい密接には関係しているが、違う話が正味25分くらいの間に、次々に出てくると、全体としてのメッセージが見えにくくなっている。
- 「被害と加害の狭間で」という副題の通り、日本が他国に向けて反省すべき点と、日本が受けた被害の実情を他国に伝えることで、戦争をなくそうと努力している点が冷静な目線で伝えられている。
- 短い時間にかなり多くの話題を盛り込みすぎているのではないか。「はだしのゲン」の翻訳に焦点を絞り、時間をかけていったほうがよかった。
- 若い世代の人がみると、ピンと来ないこともあると思う。台湾で中国語訳が出版され、中国本土ではされないのかは、わかる人にはわかるが、多くの人にはわからない。単純に掘り下げて、説明されればよかった。
- 坂東さんを切り口に「はだしのゲン」を扱うと、こういうかたちになる。段階を踏んで、扱うとなると2時間は必要な内容だと思う。
- 時系列にすればいいものではないが、構成として判りづらい。
- 具体的に坂東さんの父が(南京事件の)加害者である話があり、よくある(戦争の)被害と加害だけの話で終わっておらず、独自のものだと思った。
- 中沢啓治氏と奥様の映像を効果的に挿入して、坂東さんを取り巻くたくさんの人の協力、イランで出版された際のイラン人の翻訳者と国同士が敵対していた米国人が談笑して、政府の対立は関係なくて、国境を越えて、世界平和と核兵器廃絶を目指して思いを一つにして努力していくことの大切さを訴えていく、コンパクトで中身の濃いものになっている。
- イランとアメリカの翻訳者の映像は、個人の思いは一緒だけれど、国や政府となると違うことを言いたくて、敢えて差し込んだエピソードなのか、また中国の特殊性を示すためのものか、といった疑問を抱いた。
- (現在の)反日だと批判される危うい言論状況の中で、敢えてこういった番組を作って、全国放送するといった試み自体を高く評価したいと思う。
- 中国本土での出版が、どのような展開になっていくのか、出版ができた後に、人々はどんな反応を示すのだろうかと、すでに出版されている国々の反応と一緒に伝えていただけることを期待する。
- 被害と加害というのは非常に難しい問題で、当事者によっては、反対になることもある。これ自体が非常に大きなテーマになる。こうした番組は、第2弾とか第3弾と続けてもらえればと思う。
局側は
- この題材は2013年から取材を続けて来ていたが、今回台湾での出版という大きな節目があったので、ドキュメンタリー化をした。
- この番組での取材を通して、「日中関係の現在が見えてくれば」と考えた。また、戦争「被害」だけでなく、「加害」にも目を向けるディレクターの眼差しも番組の根底にある。そうした思いを視聴者に感じ取ってもらえれば、と番組を制作した。
- 「もっと知りたい」という部分まで掘り下げられなかったのは、番組制作者として反省している。
- 坂東弘美さんという人を入り口にして物語を始めた方が、話が分かり易かったかも知れない。最初に「はだしのゲン」とは何か?を分かってもらおうとして、番組としての軸がぶれてしまったのかも知れない。
- 今回の番組は、目的を全て達した訳ではないが、“ひとつの扉を開く”、そうした番組として視聴者に伝えたかった。
- 原爆投下に対する中国の若者の意見を聞くと、そこに変化が現れて来ているのを感じる。この「はだしのゲン」を通じて、何らかの兆しが出て来るのを信じて、今後も取材を続けてゆきたい。
などと答えました。
(3)次回開催予定
開催日時:2016年11月15日(火)午後3時30分~