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名古屋テレビ 放送番組審議会だより
このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回開催予定です。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時00分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。
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- 今年度の放送番組審議会委員
<2021年3月分>
第622回 名古屋テレビ放送番組審議会
- 開催日
- 2021年3月9日(火)16:00~17:45
-
参加者(書面)
(敬称略) -
- 副委員長:五藤義徳
- 委員:神田真秋、久冨木原玲、小林弘明、佐野智恵子、長山智香子、村田陽子
議事の概要
(1)業務報告
- 社長挨拶
- 4月改編報告
(2)審議テーマ
- 『テレメンタリー2021「僧と戦犯」』(2月17日(水)04:29~04:55放送)
- その他
委員の主な意見です。
- 戦争を体験した世代が減るなかで、戦争の歴史を次世代に残すことはたいへん重要で、それはテレビの役割のひとつでもある。この番組も放送だけでなく、ひとつの記録となって、受け継がれていくのではないかと思う。そのためにも、早朝の放送だけでなくネット上で配信するなど、多くの人が継続的に見られるような取り組みをしてほしい。
- 時代の変遷とともに、日本が戦争に深く入り込んでいくなかで仏教がどうかかわったのか、花山の遍歴からたどった手法はわかりやすかった。戦後の教誨師として活動など、番組内容や視点が幅広く、もっと長い番組であれば、より深掘りすることができたのではないか。
- 戦犯とのやり取りを花山自身が語った音声記録をもとに番組は構成されているが、音声記録は膨大な量になると思う。音声の一部を取り上げて意味付けすることで何を伝えたかったのか、わかりにくかった。歴史の検証をするというメディアの使命から言うと、戦犯が何を考えていたのかなどについて、テープから丹念に拾い出して、今後、東京裁判の再検証にもつながるような番組を作成することを期待する。
- 録音テープという事実を提示し、事実を積み重ねる手法で制作したことによって、結論を押しつけず、視聴者に考えてもらうという構成につながった。戦前、戦中、戦後の花山の考え方は大きく変わったが、戦後にそれらの整合性をとろうとして、教誨師、講演、渡米の3つに取組んだのだと思う。当時の研究者や文化人は、二度と戦争をやってほしくないという気持ちで、そういう矛盾の克服に取り組んだということを、突きつけられた気がした。
- 戦後75年が経ち、戦争にまつわるさまざまな経緯やなぜ戦争が起きたのかということを解き明かすことが、非常に困難になってきている。番組を見て改めて思った。戦争経験者が少なくなっているなかで、肉声テープをはじめとした貴重な史料を丁寧に発掘し、番組で取り上げるのは大変貴重な取り組みだ。まだ取り上げられていない音声記録がたくさんあるので、継続して番組を作ってほしい。
- 戦争についての伝承は、資料、当事者の子孫の証言、あるいは証言を聞いた人たちの証言に頼って行かざるを得ない。アーカイブだけではなく、資料を用いてどのように物語を編み出して次の世代に伝えていくのかということが課題だ。番組では、資料を用いて証言をすること、戦争責任を負った人が戦後を生きる生々しさを伝えること。この2点を成し遂げている。
- このテーマを正味24分の番組で取り上げるのは、いかにも短い。視聴者は何回か番組を見ないと、番組企画書の内容のレベルまで理解できなかったのではないか。制作者が伝えたかったという、エリート僧の悲哀は十分に伝わっていなかったと思う。
局側は
- 戦後の花山については比較的明らかになっているが、戦前から戦中にかけてのことはあまり伝わっていない。そこを明らかにすることで、また違った花山像が浮かび上がるのではないか、というのが企画の発端となった。
- タイトルの「僧と戦犯」は、「僧」と「戦犯」の2つが分離したものではなくて、花山も戦犯だったのではないかという問いかけも込めたものだが、今回あえてその両面、多様性を残したまま放送した。視聴者がどのように受け止めたか、ご意見は大変参考になった。
- 『テレメンタリー』は、権利処理ができたものに限って、ABEMA及びYouTubeにて、一部を配信し始めている。
- 肉声テープのうち1本を取り上げた書籍が出版され、それをきっかけにして取材を始めた。取材をするなかで未公開のテープがまだあることがわかり、ロケを広げた。
などと答えました。
(3)次回開催予定
開催日時:2021年4月13日(火)16時~