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名古屋テレビ 放送番組審議会だより

このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回開催予定です。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時00分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。

<2022年5月分>

第634回 名古屋テレビ放送番組審議会

開催日
2022年5月10日(火)
参加者
(敬称略)
  • 委員長:五藤義徳
  • 副委員長:村田陽子
  • 委員:神田真秋、伊藤久德、奥田太郎、照屋エイジ、小松史生子、南田あゆみ

議事の概要

(1)業務報告

  • 社長挨拶
  • 2021年度下期 放送番組の種別ごとの放送時間、総CM放送時間
  • 2022年度4月 基本番組表に基づく放送時間の種別

(2)審議テーマ

  • テレメンタリー2022『まさか、2年も経つなんて~遥かなるソロモン~』(2022年4月10日(日)26:30~27:00放送)
  • その他

委員の主な意見です。

  • 番組には、コロナ禍、外国人の在留制度、二人を支える日本人、家族愛など、いろいろな主題が散りばめられている。30分という短い枠のなかで、足早に事実を伝えるという構成になっていたことが少し残念だ。親子を支える家族の視点にもっと踏み込んで、課題を掘り下げると良かったと思う。テーマはたいへん良いので、その後の親子について継続して取材するなど、次回作に期待する。
  • 親子がソロモンに帰国できるまでの過程はよくわかるが、それまでに大きな壁があったことを、視聴者と共有、共感できていただろうか。特例でワクチン接種できたというエピソードではなくて、外国人が接種を受けられる一般的な情報が紹介されると、外国人と日本人との繋がりや優しさを伝えることができたのではないかと思う。
  • 外国人の受入れと支援が、番組の重要なテーマだった。農業を営むご夫婦との出会いは、親子を支える大きなきっかけだったと思うが、番組ではナレーションで説明されているだけで、意外とあっさりと描かれていた。いろいろな人の協力があって出会いがあったと思うので、そういう点を深掘りして欲しかった。多文化共生に理解がある人と外国人を結びつけるのは、これからの地域の重要な課題だ。
  • 母親のイザベルさんがビザを取れなくて、みかんを握りつぶすなど感情的になったシーンが一番印象的だった。カメラを意識したのか、その後少し感情を抑えて、隠れて階段で泣いているところまで、カメラが追っていた。映された本人の承認は得ていたとは思うが、他人に見られたくない場面だったのではないか。カメラを回し続けたことについて、家族とどのようなやり取りがあったのか。
  • 企画書には、日本社会の外国人の受入体制の脆弱さがテーマのひとつと書かれていた。ソロモン出身の妻を亡くし幼い娘を抱え、さらに帰国できない親子を受けいれてビザの取得に奔走するなど、印象的なシーンは多い。しかし、このテーマを描き切れていないのではないかと思う。興味深い作品であるが、短い尺に収めるために、もう一工夫欲しかった。
  • 番組制作の意図はどこにあったのだろうか。コロナ禍に苦しむ人々、善意に生きる人々、南洋の島国に住む人々の生き方。番組を見て、いろいろ思いは浮かんでくるが、本当の意図が分からなくなってしまった。全てのテーマを含んでいるに違いないと思うが、制作者の考えをお聞きしたい。
  • コロナ禍などの避けられなかった背景の部分と、日本社会特有の外国人問題の部分とを、整理するヒントが示されると良かった。家族の不幸をきっかけに来日した外国人が、苦労して帰国したというエピソードはあるが、行政や社会の問題が問われていない。日本の優しい人たちとの交流の物語にすべて回収されており、問題を個人化させてしまっているのが残念だった。
  • 取材される人々に寄りそうカメラ目線で描かれていた。年老いた母親にビザが認められなかったときの表情を様々な角度から捉えており、感情の起伏が生々しく伝わってきた。取材する者と取材される人々との間に、信頼関係があった。歴史的視野からソロモン諸島について言及があると、コロナパンデミックのみに留まらない大きな視座のメッセージとなったと思う。

局側は

  • プロデューサーとして、今回一番伝えたかったのは、国と国を隔てる壁の高さだ。それを伝えるために、最後のシーンから逆算するように、構成を立てた。
  • 取材で得られたたくさんの映像を、30分に凝縮して番組にするのは、選択の連続だった。
  • テーマを絞り切れていないというご指摘は、その通りだと思う。制作者として描きたかったのは、ソロモンの親子や支える人たちの魅力的な表情だ。
  • ビザが認められなかった母親がみかんを握りつぶす映像は、いろいろ考えた末、こうした描き方にした。
  • カメラが母親に少しずつ近づいていく映像があった。取材相手に寄り添うような配慮をしている。個人の生活の一断面を撮影することが、歴史を記録していくことにつながる。そういう気概をもつことが、プロの仕事だと思う。

などと答えました。

(3)次回開催予定

開催日時:2022年6月14日(火)16時~