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名古屋テレビ 放送番組審議会だより
このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回開催予定です。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時00分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。
- 今月の番審だより
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- 今年度の放送番組審議会委員
<2022年7月分>
第636回 名古屋テレビ放送番組審議会
- 開催日
- 2022年7月12日(火)
-
参加者
(敬称略) -
- 委員長:五藤義徳
- 委員:神田真秋、伊藤久德、奥田太郎、照屋エイジ、小松史生子、南田あゆみ
議事の概要
(1)業務報告
- 社長挨拶
(2)審議テーマ
- 『メ~テレドキュメント 入管に光を~面会報告2~』(2022年5月26日(木)朝4時00分~4時55分放送)
- その他
委員の主な意見です。
- 入管行政は外からはなかなか見えにくいブラックボックスのような存在になっているが、それをこじ開けるような作品だった。ごく限られた人にしか開示されていないウィシュマさんの収容中の様子を、再現映像で構成していた。ショッキングな映像だったが、視聴者に伝わったと思う。番組がメディアで放送されることによって、国民の監視が働くことにつながる。
- 入管制度の歴史を、現在に至る時間軸のなかで取り上げたことは、たいへん良かった。戦争直後に、社会システムを維持するための制度であることがわかった。施設の元職員のインタビューがあることで、収容施設の内部の様子がよく伝わってきて説得力が上がった。このテーマは継続して取り上げてほしい。
- 冒頭に収容者への面会を続けている西山さんが紹介されて、最後に彼女が入管制度の改革案を議員あてに送るシーンで終わるという構成が印象的だった。元職員をはじめ、インタビューと事実を積み重ねるという流れが良かった。「問われているのは、日本国民、一人一人です」という最後の短いナレーションも心に響いた。
- 再現映像は、ドキュメンタリー番組の表現手法のひとつだと思うが、一方でリアルすぎて辛いと受け止めた視聴者がいるかもしれない。公開された文書やご家族など関係者からの取材内容で、このシーンを構成するという手法もありえたのではないか。西山さんの提言書の基本である仮放免について、もう少し詳しく説明されていると良かったと思う。
- 西山さんの存在が、番組を引き締めているといっても過言ではない。彼女の考え方と行動は説得力があり、多くの人々の共感を呼ぶと思う。元入管職員二人へのインタビューも、問題の核心をついていた。批判するだけではなく提言を含んだ、良質のドキュメンタリー番組だった。早朝の放送なので、録画して視聴できるよう事前告知にも取り組んでいただきたい。
- ウィシュマさんが亡くなったことはニュースで広く報道されたが、詳しいいきさつや社会的背景について、視聴者が新たな気づきを感じとるきっかけとなる番組だったと思う。入管制度の歴史や元職員へのインタビュー、専門の研究者のコメントなど、取材も厚みがあった。作り手の明確な制作意図を感じ取ることができた。
- ウィシュマさんが亡くなった事実から「入管とは何か」という問いを引き出し、それに応えるように制度の成立の歴史を示すという構成は、巧みだった。法に基づいて施設に収容される観点と、施設内で人権が侵害されるという観点の両面でアプローチするために、ドキュメンタリーという手法がどれくらい有効だったか、検討してはどうだろうか。
局側は
- 再現映像は、ドキュメンタリー番組の表現手法としては禁じ手という認識はある。今回は部屋のなかの身近な環境に、医師や看護師がいたにもかかわらず、ウィシュマさんが亡くなったということや、入管職員の靴や服装など細かな質感を、より詳しく伝えたかった。
- 入管施設には、国籍や習慣、文化が異なる人たちがいて、過去に犯罪行為をした人もいれば、在留資格が切れてオーバーステイの人もいる。また、収容が長期化して心身の体調を崩す人が出ている。就労の問題、難民認定の問題などとも絡むので、今後も取材を続けたい。
- 重要なのは、問題を提起し続けること、タイムリーに放送することだと思う。朝夕の報道情報番組でも取り上げ、そのまとめをドキュメンタリー番組として編成した。放送時間は、録画視聴も含めて、真摯に考えなければならないと考えている。
また、地上波放送だけでなくネット配信も含めて多様な方法で伝えることに、さらに努めたい。
などと答えました。
(3)次回開催予定
開催日時:2022年9月13日(火)16時~