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名古屋テレビ 放送番組審議会だより

このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回開催予定です。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時00分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。

<2022年11月分>

第639回 名古屋テレビ放送番組審議会

開催日
2022年11月15日(火)
参加者
(敬称略)
  • 委員長:五藤義徳
  • 副委員長:村田陽子
  • 委員:神田真秋、伊藤久德、奥田太郎、照屋エイジ、小松史生子、南田あゆみ

議事の概要

(1)業務報告

  • 社長挨拶
  • 2022年度 上期番組種別実績(放送時間と総CM放送時間)
  • 2022年度 下期基本番組種別(10月基本番組表に基づく番組の種別)

(2)審議テーマ

  • テレメンタリー2022『働いた。闘った。』(2022年10月2日(日)27時~27時30分放送)
  • その他

委員の主な意見です。

  • 終戦直後の女性差別や労働環境については、当事者が高齢化して、話を聞ける人が少なくなっている。番組は、アーカイブとしても貴重なものだ。男なんかに負けるものかと思って頑張った、という言葉は大変印象的で、当時の環境がいかに大変であったか、よく伝わってきた。
  • 人間として扱われなかったという衝撃的な一言で、すべてが言い尽くされている。当時は、女性自身が、差別や理不尽さを、やむを得ないものとして、受け入れざるをえなかったかもしれない。そのなかで闘おうとしたアキ子さんは、とても先進的な感覚を持っていたと思う。
  • 戦中戦後の女性の社会的地位の問題は、一般的には広く知られているが、番組では市井の人を取り上げることで、差別をわかりやすく描いていた。彼女が闘おうとしたのは、会社に対してではなく、社会の構造だったという説明が不足していたのが残念だった。
  • 女性の半生の描写に留まったことにより、社会背景を知らない視聴者に対して、アキ子さんのように生きる女性は、当時、特別な存在だったという印象を与えたかもしれない。もう少し取材を広げて、多面的、立体的な構成で制作すると、より良い作品になったのではないか。
  • 戦後、一人の女性がどう生きてきたかを細かく描いていた。性別のバイアスの問題が注目されるようになった今、番組を制作することに、大きな歴史的意味がある。アキ子さんのような女性の取り組みが、現在の労働環境の整備につながったということを、改めて実感した。
  • テーマはシンプルだが、戦争、経済環境、労働、性差別、恋愛など、内容は盛りだくさんで幅広かった。男女の待遇格差について、勤務先の役員が当時のことを語るインタビューを取るのは苦労したと思われる。制作者の強い思いが伝わってきた。
  • 何を伝えたかったのか、よく分からなかった。タイトルに「闘った」とあるが、差別に対して具体的にどう闘ったのか、展開されていない。過去への回顧だけでは、闘いの歴史を描くことにはならない。生きた重みを伝えるなら「生き抜いた」というほうが相応しい。
  • 男性ディレクターが、彼女の人生から感じとったことや、取材を通して気づいたことを、制作者自らが語るという場面があると良かった。そのような構成にすれば、現在の社会や労働をめぐる性差別、ジェンダーバイアスについてのメッセージとなったのではないか。

局側は

  • アキ子さんと姪御さんとの関係性から、二人の女性の歴史を描きたいというところから取材を始めた。ディレクターが、番組のなかで自分の意見をもっと出していく、あるいは自らナレーションを務めるという手法は、今後の参考にしたい。
  • インタビューの内容を、口元の様子など、できるだけ映像で伝えるために、マスクをしているシーン以外は、内容をフォローする字幕は使わないようにした。もう少し、字幕を付けたほうが良かったかもしれない。
  • 歴史的によく知られた人物や事件は、記録や資料がたくさん残っているが、今回は、あまり保存されていなかった。その点を補って、どのように映像化して番組を制作するのか、悩んだところだ。
  • 女性の人生に大きく関わった「戦争」と「女性差別」というテーマを、一つの番組のなかで両立させるという点に苦労した。

などと答えました。

(3)次回開催予定

開催日時:2023年1月10日(火)16時~