愛知県の高浜市役所で16日、刃物を持った男が液体をまいて自分に火をつけ、職員3人がけがをした事件で、当時の状況をとらえた映像を入手しました。

　「戦うんか」

　刃物のようなものを振り回して威嚇する1人の男。

　男は、高浜市役所のカウンターの中に押し入ると、職員がさすまたを持って応戦します。

　男は何度も職員を名指しし、声を荒らげていました。

　警察によりますと16日午後3時ごろ、来庁した男が可燃性とみられる液体を自らかぶって火をつけました。

　火は消火器で消し止められましたが、消防によりますと、男は病院に運ばれた際、意識はなかったということです。

　警察は16日、この男（62）を建造物侵入の疑いで現行犯逮捕しましたが、その後、治療のため釈放しました。

　捜査関係者によりますと、男は自分の腹のあたりを刃物で切り付けて火をつけたとみられ、男から刃物を取り上げるなどしようとした職員3人が軽いけがをしました。

　「残念ながら職員にけが人が出てしまいました。大変遺憾に思っております。不測の事態に応じられるような体制づくりに、努めてまいりたいと思っております」（高浜市 吉岡初浩 市長）

　市によりますと、男は数年前から市民税を滞納し、今年3月から預金を差し押さえられていました。

　その後、毎月10万円ずつ納付することで合意していましたが、6月から月5万円に減額するよう市に求め、トラブルになっていたということです。

　警察は、男の回復を待つとともに事件の詳しい経緯を調べています。