12日夜、名古屋市内で女性を狙ったひったくり事件があり、50歳の男が現行犯逮捕されました。男を取り押さえたのは、被害にあった女性の夫。カメラが、その瞬間をとらえていました。

　「通行人と思われる人が店に入ってきて、『ひったくり犯がいるから通報してほしい』と言われて警察に通報した」（通報者）

　12日夜、名古屋で起きたひったくり事件。近くの防犯カメラは、その一部始終をとらえていました。

　「ひったくられた女性の夫がひったくりの犯人を捕まえて、そのままバイクを倒して犯人を押さえこんでいた。全身傷だらけで、ひざも血だらけで、それでもずっと押さえていた」（通報者）

　横断歩道の上で、原付バイクに飛びかかる男性。バイクが横転すると、運転していた人物の上から取り押さえます。

　その約5分後、警察が到着しました。

　ひったくり犯を取り押さえた、西本祐也さん。現場近くで、トレーニングジムを経営しています。

　「何か気配を感じたので後ろを向いた瞬間、全身黒ずくめ、フルフェイスの原付の男性が近づいてきたので、なんかやばいなと。それでそのまま妻のバッグをひったくっていった」（西本祐也さん）

　名古屋駅にほど近い西区那古野。午後7時48分ごろ、西本さんの妻が横断歩道を渡っていたところ、原付バイクに乗った人物が近づき、ハンドバッグを奪って逃走したといいます。

　「バイクの荷台だけ持って、自分は引きずられたままずっときて、路地に入って逃げようとしてフルスロットルをしたので、引きずられながら、犯人のバイクの後ろによじ登った。後ろから羽交い締めにして、犯人とバイクを倒して、そのまま押さえこんだ。最初、倒した時にはすごい力でジタバタしていた。そこから押さえこんで、途中から観念した。家族を守る一心です。絶対に逃がすわけにはいかないと」（西本祐也さん）

　強盗致傷の疑いで現行犯逮捕されたのは、自称・作業員の石澤博容疑者(50)です。

　調べに対し、ひったくりについては認めたものの「けがをさせるつもりはありませんでした」と供述しています。

　そして、この逮捕劇の直前には、500メートルほど離れた中村区・名駅の路上でもひったくりが起きていました。

　会社から帰宅途中だった27歳の女性が、現金約1万5000円などが入ったハンドバッグを奪われる事件がありました。

　逮捕された石澤容疑者は、女性から奪ったとみられる所持品を持っていたということです。

　先月から、未遂を含めて27件のひったくり事件が発生した名古屋。

　逮捕された石澤容疑者は「7月の終わりから名古屋市内で、原付でひったくりを10回くらいやりました」と供述しているということです。

　警察は、一連のひったくり事件について、石澤容疑者の関与を詳しく調べています。