去年、日本代表に選ばれた名古屋市出身の神野ゆめ選手（21）。夢のパリオリンピック出場は惜しくも逃しましたが、その後も果敢に夢へと挑み続ける大学4年生に密着しました。

　「ONE OK ROCK『努努-ゆめゆめ-』という曲があって『夢は見るモンじゃなくかなえるモンでしょ』という歌詞があって、そこが1番いいですね」（神野ゆめ選手）　

　たくさんの夢を追い続けるスイマー、名古屋市出身・神野ゆめ選手。

　去年、自由形のリレーメンバーで夢の日本代表に初選出。

　初めての世界水泳で、決勝進出に貢献しました。

　「あの決勝の舞台で戦えた事は、次につながるレースだったと思います」（神野選手）

　身長160cm。トップスイマーの中ではかなり小柄な神野選手。

　それでも日の丸を背負うまでになれた要因の一つがフィジカルの強さ。

　日々の鍛錬で強靭な体を作りあげました。

　さらに、水の流れを発生させるトレーニング専用プールで、常にフォームをチェック。安定した泳ぎを身につけていきます。

　「ちょっと上下移動が出ているのと、テンポが一定じゃない時がある。今日はウエートトレーニング後なので疲れています」（神野選手）　

　小柄な体を努力で補ってきた21歳。

　しかし目指してきた夢、パリオリンピック出場は叶いませんでした。

　「選ばれなくて悔しい気持ちと、まだまだ力不足という気持ち。いろいろ思う事がありました」（神野選手）

　現在、中京大学の4年生。水泳部女子キャプテンを務める神野選手には大学最後の夢がありました。

　「インカレが迫ってきていたので、中京大学の総合3連覇をしないといけないという気持ちに変わったかなと思います」（神野選手）

　大学日本一を競うチーム対抗戦・インカレ水泳。

　2年連続で優勝中の強豪・中京大学の女子を引っ張るキャプテン。

　夢の3連覇に向け、心掛けていることは――

　「できるだけ多くの人とコミュニケーションをとるようにしていて、1人1人と話していく中で、この選手はここが強いんだ、こういう一面があるんだとか、技術を教え合ったりだとか、そういう教えができているからこそ、チーム全体が強くなっていくというループができているのかなと思います」（神野選手）

　そんな神野選手を強く慕う同級生がいます。

　同じくメドレーリレーのメンバー、廣下菜月選手です。

　「私が1年生の時にできた目標が、4年間ゆめを支えるという目標で、大学1年のリレーの時に緊張して、その時に隣にいたゆめが、ずっと手をつないでくれていて、こんなに力強い同期がいるんだなと感じて、だからこそ、ゆめを助けたいと1年生の時に強く感じて、この4年間その思いで、インカレを戦っています」（廣下選手）

　「リレーでの強さ、中京大学らしさを全開に出して、私たち4年生が引っ張って、3連覇をしたいと思っています」（神野選手）

　大会前夜。

　「私はもう覚悟はできています。日本一の応援、日本一のサポート、日本一の泳ぎをしましょう」（神野選手）

　「女子総合3連覇、絶対勝つぞ」

　迎えたインカレ水泳。

　総合2位につけた中京大学は、大会3日目のメドレーリレー決勝。

　まずは後輩2人が粘りの泳ぎ。前半を3位で折り返します。

　第3泳者は神野選手を支えると誓った同級生の廣下選手。

　タイム差を0秒58縮めると、アンカーは神野ゆめ選手。

　トップの神奈川大学との差は1秒60。その差を覆せるか――

　「相当追いかけていますね。神野選手すごいですよ」（実況）

　なんと、ラスト50mでトップの神奈川大学を捉えます。　
　　
　鍛え上げたフィジカルとテクニック。そして、仲間たちとの絆が神野選手の力となり、メドレーリレー3連覇。

　総合順位で首位の神奈川大学に迫ります。

　最終日、神野選手は50m自由形決勝に出場。

　メドレーリレーに続き、2種目を制覇。中京大学の3連覇に向け全力を尽くしました。

　そして、総合優勝は――

　「成績を発表いたします。第2位・中京大学」

　惜しくも女子3連覇の夢は叶いませんでした。それでも――

　「私が過ごしてきた中京大学の4年間で、間違いなく1番いいチームだった。最後まで諦めずに戦えたのは、このチームだからできたのかなと思います。最強な同期と一緒に、ここまでやってこられて私は幸せです」（神野選手）

　大学最後のインカレを戦い終えた神野ゆめ選手。これからの夢はもちろん――

　「まぁオリンピックですね。将来の夢、オリンピック選手になるという夢をロサンゼルス五輪の選考会でかなえて、良い結果を知らせることができるように頑張ります」（神野選手）

　(9月12日放送 メ～テレ「ドデスカ＋　じもスポ！」より)