「プロの道に進み恩返し」ドラフト候補 2人の地元高校生それぞれの想い

2024年10月17日 18:12
プロ野球ドラフト会議の地元注目選手を紹介。今回は投・打でそれぞれ注目を集める2人の高校生。ともに「プロの道に進み恩返しをしたい」恩人がいました。

豊川高校 モイセエフ・ニキータ選手

「不安というのはなくて、今はワクワク、楽しみな気持ちが大きい。」(豊川高校・モイセエフ・ニキータ選手)

 まずは、打の注目!豊川高校のモイセエフ・ニキータ選手です。

「プロは投げるのも走るのも打つのもレベルが違う世界なので、そういう世界でプレーしたい」(モイセエフ選手)

 両親はロシア出身ですが、愛知生まれ愛知育ち。

 パワフルなバッティングを武器に甲子園でさく越えを放ち、強烈なインパクトを残しました。
 
 パワーの源は1年冬から敢行した肉体改造です。

「土台となるのは食事。白米はしっかり食べる。朝は500g、夜は900g~1kg。好きな食べ物は肉とかですね」(モイセエフ選手)
 
 体重は2年間でおよそ20キロ増加。飛距離を大きく伸ばし、一躍プロ注目選手に名乗りを上げました。
 

父 セルゲイさん

支えてくれた父のために
そんな彼の支えとなっていたのが、父・セルゲイさんの存在です。

小学1年生の時に野球を始めたモイセエフ選手。そばにはいつも父・セルゲイさんの姿がありました。

「本人がルールを覚えるために買ったんですけど自分が勉強しました」

 ロシア出身で野球になじみが薄く、ルールすら分からなかったというセルゲイさん。役立ちそうな本を見つけては息子に与えつつ、自らも野球への理解を深めていきました。
 
 さらにグローブが壊れたら周りの人に聞き、自分で修理。庭にケージを作り、一緒に練習するなど、惜しみないサポートを続けてきました。

「プロから注目されていると言われていますけど、そんなに気にしていない。本人に任せている。見守っている感じ」(セルゲイさん)

「お父さんが色々勉強してくれて練習も付き合ってくれたので、自分は結果で恩返しするしかない」(モイセエフ選手)

支えてくれた父へプロへ入って恩返しを。夢の舞台へ少しでも近づくため、守備や走塁も磨いてきたというモイセエフ選手。
 
 高校1年生の時に掲げた目標はすぐ目の前ですが、さらにその先を見据えています。

「プロになることを目標にずっとやってきた。プロ入りは第一目標であって、そこからが本当のスタートだと思う。これからもプロで活躍することを考えてやっていきたい」(モイセエフ選手)
 

豊橋中央高校・内山京介投手

最速150キロ 豊橋中央高校 内山京介投手
 この夏、甲子園出場を果たせなかった一人のプロ注目ピッチャー。

「恩返しできない状態で終わってしまったので、プロに行って投げている姿を園長先生に見せるのが1つの恩返し」(豊橋中央高校・内山京介投手)

 彼には、どうしてもプロ入りを叶えたい、特別な理由がありました。

 最速150キロのストレートを武器とする豊橋中央高校の内山京介投手。
 
 ピッチャーを本格的に始めたのは、高校に入学してから。2年半で球速はなんと36キロもアップしました!!

 さらに、4重跳びも跳べちゃう驚異の身体能力を持つ、伸びしろ無限大の高校3年生。実はこれまで、他の人とは違った人生を歩んできました。
 

当時1歳の内山投手

児童養護施設の子どもたちに希望の光を
「お母さんの顔も覚えていないし、目が見える時には施設にいた」(内山投手)
 
 内山投手が育ったのは、豊橋市内にある児童養護施設。生後わずか1カ月の時に預けられました。

「小学生の時は施設ってだけで『お前施設なの』って言われていたけど、そんなのに負けていたらやっていけないので」(内山投手)
 
 偏見に直面せざるを得ない現実。しかし、この辛い経験を大きなアドバンテージに変えていました。

「(養護施設出身と)言われている中でも平常心でいられるので、ピンチでも平常心でいられる。あれがあったからメンタルが強くなったんだぞっていうのがあります」(内山投手)
 
 同じ境遇の子どもたちに希望の光を。だからこそ、進路はプロ一本に絞っています。

「施設の子たちが『自分でもできるんだ』ってなれるように絶対プロに行くしかないと思っています」(内山投手)
 

内山投手(左)と山田園長(右)

プロになって園長先生へ恩返し
 練習に励む内山投手を応援する人がいます。児童養護施設の園長、山田吉勝さん。

 物心がつく前から、ずっと見守ってきた父親のような存在。野球を始めさせてくれたのも山田さんでした。

「本当に小さい頃から見てきてもらって、自分の中で一番話しやすいし、支えてもらっているので感謝しかない」(内山投手)
 
 高校の集大成となる夏の大会は準々決勝で敗れ「園長先生を甲子園に連れて行く」約束を果たせませんでした。
 
 夏の大会が終わっても練習の手を緩めない内山投手。下半身を重点的に強化し、課題だった制球力の改善を図ってきました。

 さらに体重を4キロ増やし、球速は2キロアップ。ついに150キロ台に到達しました!
 
 すべては最高の恩返しをするために。

「プロ野球で投げている姿を見せて施設の子たちを勇気づけることで、園長先生にも恩返しができるので、プロに向かって頑張っていきたい」(内山投手)

「子どもたちには夢を持ってほしいとずっと思ってきた。実際に内山投手がプロという夢を描いて、努力し続ける姿はいろんな子たちの勇気になる」(山田園長)

(2024年10月17日放送 メ~テレ「ドデスカ+ じもスポ!」より)
 
 
 
 

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