発災から1カ月 ボランティアの受け入れ本格化も課題「配置することが難しい」 能登半島地震

2024年2月1日 19:50

元日の能登半島を襲った地震から2月1日で1カ月となります。地震が発生した午後4時10分、被災地では黙とうが捧げられました。

 「ご冥福をお祈りし、哀悼の意を表するため、黙祷を捧げたいと思います。黙祷」(館内放送)
 
 午後4時10分。

 避難所で、壊れた街で、1月1日の地震と津波で傷ついた能登半島のいたるところで黙とうを捧げる姿がありました。

 「まだ1ヵ月しか経っていない。やっと家族も避難する場所が決まったところ。朝市の再開はまだまだ先のことになる。本当にもう一度ここでできるのか、組合員の安否も十分に確認がとれていない。皆さんどこかで避難してもらって、元気にまた会いたい」

 最大震度7を観測した志賀町では――
 「胸がいっぱいです。考えると」
 「もう2度と地震は、大きらい。来ないでくれ。ずっと避難生活。1日も家に行っていません。けさもあったでしょ、地震が。嫌になるもん」

 

志賀町社会福祉協議会 岡部亮 事務局長

1月27日には県外からの個人ボランティアの受け入れが本格化

 「志賀町の災害ボランティアセンターに、県の募集で集まった方々が入っていきます」(濱田隼アナウンサー)

 この日、石川県志賀町には県の募集で43人のボランティアが集まりました。

 「お集まりいただきありがとうございます。大変な状況の中ですが、皆さんの力を借りたいと思います」(志賀町社会福祉協議会 岡部亮 事務局長)

 石川県は、現地の道路渋滞が深刻だった発災当初、公的な支援車両への影響を考え、一般のボランティアについては「被災地に来ないで」と呼びかけてきました。

 発災から約1カ月。道路状況の改善などが見られることから、1月27日には県外からの個人ボランティアの受け入れが本格的に始まりました。

 

家財道具などの運び出しをするボランティア

「被害が大きいところに目が行ってしまうが、実はそうではない」

 「ボランティアの方が不要となった家の一部を軽トラックに積んでいます」(濱田アナ)

 志賀町で求められているボランティアのひとつが不要になった家財道具などの運び出しです。

 崩れた塀や家電製品などをトラックに運んでいきます。

 Q.ボランティアの人が来てどうですか?(濱田アナ)
 「大変助かります。重い物ばかりなので。トラックがなかったので本当に助かっています」(被災した住民)

 ボランティアの一人、佐々木さんは東京から参加しました。

 「災害が起きると被害が大きいところに目が行ってしまうが、実はそうではないところで困っている人がたくさんいる。そういうところに貢献できる、来てよかった」(東京都から参加 佐々木理さん)

 

岐阜・各務原市から参加する上田さん

「少しでも力になれたらいいなという思いで来た」

 いま志賀町で最も多くのボランティアが活動しているのが災害ごみの仮置き場です。

 「みなさんの思い出の詰まった家財が次々に運ばれて、山積みになっているこの光景は胸が痛いですね」(濱田アナ)

 ここでお手伝いをしている人たちの中に、岐阜県の各務原市から来た男性がいました。

 Q.このボランティアに参加する思いは?(濱田アナ)
 「時間がある時は自分は参加できる。ただそれだけ。空いた時を利用して少しでも力になれたらいいなという思いで参りました」(岐阜・各務原市から参加 上田さん)

 

運営スタッフの数が不足している

ボランティアが本格化し、新たな課題も

 ボランティアが本格化し、新たな課題も見えてきました。

 石川県が募集し、事前登録したボランティアは約1万5000人。

 しかし、現地の受け入れ態勢が十分に整っていないため、活動人数は1日に100人程度に制限しています。

 志賀町のボランティアの受け入れ担当者は、運営スタッフの数が不足しているといいます。

 Q.人手については?(濱田アナ)
 「たくさんボランティアに来てもらいたいのはやまやまだが、石川県からの職員が派遣もされているが、絶対数が足りていない。『ここお願いします』などの配置をすることが難しい。職員は休みなしで対応している。少しずつでも作業が進展できればいいかなと思っております」(志賀町社会福祉協議会 岡部亮 事務局長)

 (2月1日15:40~放送メ~テレ『ドデスカ!+』より)

 

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