1250年以上続く「天下の奇祭」に女性が初めて参加へ「歴史に残る1ページを」 国府宮はだか祭あす開催
2024年2月21日 20:19
愛知県稲沢市の「国府宮はだか祭」が22日に行われます。21日、重さ約4トンある大鏡餅が奉納されました。 初めて女性が参加することとなる今年のはだか祭で、大役を担う女性の思いを聞きました。
いよいよ22日に迫った愛知県稲沢市の「国府宮はだか祭」。
祭りムードが高まるなか、祭り前日のメインイベント「大鏡餅の奉納」が行われました。
祭りで奉納される「大鏡餅」は愛知県内の「奉賛会」が持ち回りで作っていて、今年はあま市の奉賛会が担当しました。
高さ2.4メートル、重さ4トンの大鏡餅が、ゆっくり、ゆっくりと境内へと進みました。
大鏡餅は拝殿の正面に置かれ、慎重に奉納されていきました。
あま市奉賛会副会長 加藤文彦さん
あいさつで感極まる「いろんなことが走馬灯のように」
感無量であいさつをしたのは、あま市奉賛会副会長の加藤文彦さんです。
「サプライズで最後のあいさつも指名をいただいて、今までのつらかったこと、いろんなことが走馬灯のようによみがえってきて、嗚咽交じりのあいさつになりました」(あま市奉賛会副会長 加藤文彦さん)
境内には奉納の様子を真剣な眼差しで見つめる1人の女性の姿が――
「私たちはふんどしになれないじゃないですか。でも願いの笹を預かって神様に届ける、そんな1ページができてもいいと思うし、楽しみで仕方がありません」(縁友会隊長 玉腰厚子さん)
縁友会隊長 玉腰厚子さん
「儺追笹奉納」に初めて女性が参加へ
愛知県一宮市の玉腰厚子さん。
今年から女性も参加できるようになった「儺追笹奉納」に22日、参加します。
玉腰さんは約40人の女性からなる団体「縁友会」の隊長です。
リーダーとして、事前の指導、練習にも熱が入ります。
「みなさんから預かっている願い・祈りを一気に神様に預けるために集中します。心ひとつです」(縁友会隊長 玉腰厚子さん)
祭りが大好きな玉腰さんですが、最初は参加するかどうか悩んだといいます。
「やっぱり男の祭りで歴史のある祭りで女性が参加するのを (家族が)反対するかなと思いました」(玉腰厚子さん)
厚子さんの義母 正子さん
「私出たかったの」「夢なの」で決意
悩んでいた玉腰さんの背中を押したのは義母、正子さんの言葉でした。
「義母(正子さん)が『私出たかったの』『夢なの』って言っていたから『一緒に出ましょう』ってそこで決めました」(玉腰厚子さん)
「厚子さんが『今年は女の奉納があるよ』そしたら『出る出る』って、夢だったから申し込みました」(厚子さんの義母 正子さん)
さらに今回は娘の彩乃さん、そして孫で7カ月の陸くんも初参加し、一家4世代ではだか祭に挑みます。
「歴史をある意味変えるので大変なのかもしれないけど、そのバトンが回ってきたのはすごくうれしいなって思っています。しっかりやりたいなと思っています」(厚子さんの娘 彩乃さん)
1996年の神男 夫の辰夫さん
元神男の夫「病気もけがもせずに無事に笹奉納できたら」
「きょうの夕食はちゃんこ鍋です。笹奉納も2月11日が練習最終日なので、やはり気合を入れてちゃんこで自分もパワーを高めて挑みます」(玉腰厚子さん)
夫で元力士の辰夫さんと作ったのは一家のパワーフードであるちゃんこ鍋。
実は3回目の挑戦で1996年の神男に選ばれたという辰夫さん。
うれしい反面、けがに対する怖さもあったといいます。
祭りに女性も含む一家4世代で参加することについては――
「病気もけがもせずに無事に笹奉納できたらいいなと思います。やっぱり男の祭りだとみんな言っていたけど、やっぱり時代も変わって女性も参加するのもいいかなと思います」(厚子さんの夫 辰夫さん)
奉納の様子を真剣な眼差しで見つめる玉腰厚子さん
「歴史に残る1ページを作りたい」と決意新たに
いよいよ22日に迫る「国府宮はだか祭」。
天候に不安がありながらも、初参加となる女性団体のリーダーとして決意を新たにします。
「やはり緊張がすごく強い。はだか祭には雨も雪もつきものだが、女性がどれだけこの雨に順応できるかやっぱり心配でもある。今まで1250年以上の歴史をずっとつなげてくれた男の人には感謝。あすは一生懸命みんなの前で『ワッショイ、ワッショイ』と先導しながら、歴史に残る1ページを作りたいと思います」(玉腰厚子さん)
(2月21日15:40~放送メ~テレ『ドデスカ!+』より)