「まるで世界の終わり」壊滅状態の島も ハリケーン「ベリル」が猛威

2024年07月05日 22:44
 カリブ海で猛威を振るうハリケーン「ベリル」。勢力を保ったままさらなる被害が懸念されています。 ■ハリケーン「ベリル」が猛威  最大風速は約70メートル。 地元住民 「まさか、コンクリート製の家がぺしゃんこになるなんて。この世の出来事とは思えない」  通過した後には破壊された建物とがれきの山が…。ほぼ壊滅状態となった島も。 グレナダ ディコン・ミッチェル首相 「破壊のレベルはまるでアルマゲドン(世界の終わり)です。あらゆる建物がことごとく破壊されました」 ■史上最も早く“最強”カテゴリー5に  中米カリブ海で甚大な被害をもたらしている超大型ハリケーン「ベリル」。その規模は最も強力なカテゴリー5です。6月から始まったハリケーンのシーズン。勢力の強いものにはアルファベット順に名前が付けられ、注意が呼び掛けられます。  今シーズン最初に発生した「アルベルト」は一番下の「熱帯暴風雨」ですが、アメリカ南部などで洪水を引き起こしました。  続いてカリブ海の東でベリルが発生するなか、メキシコ湾には早くも熱帯暴風雨「クリス」が…。大雨によって土砂崩れなどを引き起こしました。クリスの脅威は去りましたが、店では木の板や食材が品薄になるなど嵐への備えは続いています。  実はそのころ、ベリルが急激に勢力を増していたのです。 世界気象機関 ナリス報道官 「当初は熱帯暴風雨でしたが急速に発達し、24時間以内でカテゴリー4の嵐になりました。6月としては史上初めてのこと」  さらに、ベリルはカテゴリー5へも史上最速で発達。その理由は気候変動によるものでした。 気候学者 「第一には地球温暖化と海水表面温度の上昇。それらがより強い嵐を生む背景となっている」 ■「経験ない規模」さらなる被害懸念  勢力を保ったままハリケーン「ベリル」は西へと進み、破壊の限りを尽くしています。 地元の漁師 「これまで経験したことのない規模のハリケーンだった。誰もあんなものに来てほしくないと思う」  3日にはジャマイカに接近…。 CNN記者 「立っているのも難しい状態です。非常に強い風が吹いています」 アメリカ 国立ハリケーンセンター マイケル・ブレナン氏 「危険なハリケーンです。最大風速は48.4メートル。カリブ海北西部を速い速度で西北西に進んでいます」  ベリルにより、これまでに少なくとも10人が死亡。  この後、メキシコのユカタン半島に上陸する見通しで、現地当局は住民や観光客に警戒を呼び掛けています。

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