原因は“暑さと黒潮蛇行”関東でカミナリ大幅増“例年の倍”に…連日のゲリラ雷雨

2024年08月21日 00:28
栃木県などでは20日もゲリラ雷雨が相次ぎました。関東では7~8月で例年の2倍近い、約8万7000の雷が観測されています。その背景には記録的な暑さがあります。 ■連日の『ゲリラ雷雨』 20日も各地で空は不安定になりました。宇都宮市の道路をあっという間に覆った雨水。排水が追い付かないのか、水が噴き出す所もありました。 突然の雷雨に襲われたのは福島県郡山市。視界が悪くなるほどの大雨が打ち付けました。 天気の急変に翻弄された人は栃木県那須町にも…。 家族でバーベキューをした人 「サンマも今年豊漁だったらしく、焼いたりしようかなと思っていた」 子どもたちの夏休みの思い出に。天気にも恵まれていたなか、庭でバーベキューを始めたといいます。そして焼きあがりはじめたころ、楽しみにしていたサンマに無情にも雨が打ち付けました。 家族でバーベキューをした人 「魚とか途中だったので、家の中でフライパンで焼きなおした。(Q.今も雨が降っている)腹立つくらい晴れています」 今年のゲリラ雷雨は、例年と違うところがあります。それは雷の発生回数です。気象データの解析など行っている企業『日本気象株式会社』によると、関東地方ではこれまでにない数の雷が発生しているといいます。 7月、8月合わせて例年は平均4万4000回ほどですが、今年はすでに今月19日までで約8万7000回と2倍程度発生しています。 雷は生活にも大きな影響を与えます。雷を原因とした停電が連日発生。20日も栃木県下野市では一時3000軒近くが停電しました。 ■背景に『記録的暑さ』『黒潮蛇行』 なぜここまで雷が多いのか。気象学者は黒潮の影響を理由の1つに挙げます。 三重大学 立花義裕教授 「(今年は)黒潮の激しい蛇行に伴う、非常に暖かい水温が関東にへばりついて(停滞して)いる」 地表に湿った暖かい空気があり、上空に冷たい空気があるとできやすいのが上昇気流です。今年は、暖かく湿った空気が例年以上に陸に流れ込み、雷を伴う積乱雲が多く発生している可能性があるといいます。 三重大学 立花義裕教授 「黒潮の非常に暖かい水温から、水蒸気がもうもうと上がる。海から陸に風が吹くと、非常に多くの水蒸気が陸に来る。そして、地面付近が非常に暖かい。この2つの条件が整っている状況で、たまに上空に寒気が来る。上空の寒気は強くなくても十分、水蒸気と地面付近が暖まっているので、積乱雲が発生して雷が鳴る」 雷への注意はいつまで必要なのでしょうか。気象庁は20日、この先の3カ月予報を発表しました。9月~11月は平年より気温が高く、残暑が厳しい可能性が高いといいます。 三重大学 立花義裕教授 「9月になっても真夏のような気温・水温が続くと思うので、雷は9月になっても起こる確率が高い」

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