“100万ドル夜景”見えない大混雑 函館で観光客“多すぎ” 住民も困惑

2024年08月21日 19:36
 100万ドルの夜景が見えない。観光客殺到で北海道函館市が悲鳴です。  函館山の展望台は日没前から…。 警備員 「立ち止まらないようにお願いします」  ここで日が暮れるのを待とうというのでしょうか。皆さんはスマートフォンに目を落とし、景色を見ている様子はありません。  山頂までの道のりもロープウェーは、まるで通勤列車のような混み具合。  いよいよ日が暮れてくると…。  肉眼で夜景は見えたのでしょうか。折り重なるようにして皆さん、スマホを持った手を伸ばしています。 岩手から来た人 「(Q.夜景は見られた?)人がすごすぎて見られなかった。こんなに多いと思わなくて。もうちょっとゆっくり見られると思った」 東京から来た人 「びっくりしました。長くいられないですよね」 山口から来た人 「疲れました」 「想像以上です」  夜が更けても…。  ロープウェーの営業時間まで残りわずか1時間ですが、建物の外には通りこして長い行列ができています。  混雑はロープウェーだけではありません。  函館山へ向かうバスの乗り場です。すごい人の列ができています。この数はバスが1台来たところでさばき切れません。  函館市の観光客は昨年度、約530万人を数えました。  人口は24万人なので、22倍以上の人が外から押し寄せたことになります。 函館市民 「(Q.観光客が多くて乗れないことは?)たまにありますね」  困るのは市民だけではありません。 青森から来た人 「乗りたいんですけど、すごい混んでいるので乗れるかな、ベビーカーもあるし」  小さな子どもを連れた観光客。行列に並んでみたものの…。 青森から来た人 「残念でした。いっぱいで、ちょっとさすがに子ども2人とベビーカーとキャリーケース抱えては今の状態では」  観光客にとっても好ましくないオーバーツーリズム。市も対策に乗り出しました。 ガイド 「テレビのドラマ、映画のロケで函館といったらこの景色が出てくる」  市が実験的に始めた「ゆったり夜景とヨルメグリ」。  函館山が最も混雑する午後8時までの時間帯について、観光客を別の名所旧跡に誘導しようというものです。 函館市・大泉潤市長 「観光客の選択肢を広げながら、最適化をしながら、過度な集中が避けられるような、市民生活に悪影響が出ないような、そういったことに取り組んでいきたいと思う」

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