なぜ闇バイトに…家族の苦悩 一連の強盗事件「悔やまれる」

2024年12月31日 17:37
 今年、関東を中心に相次いだ「闇バイト」を巡る連続強盗事件で息子が逮捕された女性がANNの取材に応じ、家族としての苦悩を語りました。 息子が逮捕された女性 「暴力を振るうとか、そんなことはしなかったので、そういうことをするってちょっと信じられなかった」  西日本に住む60代の女性は、息子が一連の“闇バイト”による強盗事件で逮捕・起訴されました。 息子が逮捕された女性 「もうちょっと早くなんとかならなかったのかなとは思います」  8月以降、“闇バイト”による強盗事件などが全国でおよそ30件発生。70人前後の男女が逮捕され、多くは若者でした。  そのほぼ全員に共通する点があります。報酬となる“金銭目当て”でした。  女性の息子の場合、ギャンブルのためだったとみられています。 息子が逮捕された女性 「『生活費が足りないから』とか、最初は1万円、2万円とかだったんですけど、(徐々に)貸してくれないなら犯罪を起こすくらいの脅しが入った」  女性はこれまで、自身の保険も解約し、息子に1000万円近く工面しました。ギャンブル依存症の回復施設にもつなぎましたが、やめられずに特殊詐欺の「受け子」として実刑判決を受けたこともあります。  刑務所からは“ある決意”を記した手紙を女性に送っていました。 息子が逮捕された女性 「『ギャンブルに大きな問題があると思い、ギャンブルの回復施設に入りたい』という手紙です」  しかし出所後に、今回の強盗事件に関与した疑いで逮捕されました。  “闇バイト”への加担を事前に止められなかったのか…。一連の事件で逮捕された容疑者の家族は戸惑いや後悔の言葉をこぼしました。  横浜市の強盗殺人事件で逮捕・起訴された宝田真月被告(22)の家族もそうです。 宝田真月被告(逮捕後の取り調べに) 「税金の滞納金が数十万円あったため、短期間で稼げるアルバイトを探すことにした」  自宅には滞納した税金を納める用紙が残されていました。 宝田被告の祖父 「(Q.これはすでに払ったもの?)いやいや」 「(Q.払っていないとなると、かなりありそうですね?)ありそうだね」  家族として助けることができたのではないか。その思いを抱いています。 宝田被告の祖父 「自分たちに相談なり、警察に言ってくれれば事態が変わったのではないかと悔やまれる」  冒頭の女性は「自分にできること」として、“闇バイト”に加担する若者を減らすため、自らの経験を話す講演を始めました。 息子が逮捕された女性 「『罪を軽くして』などと言うつもりはありません。罰を受け、罪を自分で償うべきだと思っています。息子に毅然と対応し、ここまで悪化させる前に治療や支援につなげるべきだった。自分自身に対して悔やんでいます。闇バイトの犯罪が一日でも早くなくなることを願ってやみません」

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