新アリーナ計画問う住民投票案、愛知・豊橋市議会が一転否決 継続か中止か、混迷続く

2024年12月26日 17:18
「継続」か「中止」かに揺れる愛知県豊橋市のアリーナ計画。是非をめぐる住民投票条例案が議論された26日の市議会では、波乱が待っていました。
「まもなく豊橋市議会が始まります。アリーナ計画をめぐる住民投票条例案が、このあと議題にのぼる予定です」(横谷実耶 記者)

 豊橋市中心部の豊橋公園が予定地となっている「新アリーナ」計画。

 地元のプロバスケットボールチーム「三遠ネオフェニックス」の拠点にもなる予定で、2027年の開業をめざしていました。周辺整備なども含めて、事業経費は総額約230億円です。

 ところが11月の市長選で、新アリーナ計画中止を訴えた長坂尚登氏が初当選。

 就任直後には、契約解除に向けた協議を業者に申し入れました。

 一方、市議会は20日、計画継続を求める請願を採択。請願には市内外の13万人の署名が添えられていました。

 中止か、継続か。そこで浮上したのが「住民投票」。
 

豊橋市議会に出席した長坂尚登市長

「推進派」が条例案を撤回
 26日、定例会の最終日を迎えた市議会では、2つの住民投票条例案が議員から提案されました。

 条例案は「推進派」「反対派」それぞれが提案。いずれも計画の賛否を2択で問う形式でした。

 いずれかの案が26日の議会で可決され、アリーナ計画の最終決着は、住民の判断に委ねられることが想定されていましたが――。

「現状では住民投票を行うことは適切でないと判断いたします」(推進派 山本賢太郎市議)

 質疑の途中で「推進派」は突如、条例案を撤回。

 契約解除に伴って生じる見込みの損害額が明らかでなく、市からの説明が十分にされていことなどを理由に挙げました。

 突如の方針変更に、「議会冒涜」という声も――。

 午後1時に始まった議会は「反対派」が出した住民投票条例案をめぐって質疑が続きましたが、午後3時半過ぎ――。

「起立少数。したがって本案は否決されました」(議長)
 
 住民投票条例案は否決され、議論は振り出しに戻りました。

 継続か、中止か。アリーナをめぐる議論は依然、混迷が続いています。
 

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