“戸建て王国”愛知が変わる 地価が4年連続アップ、名古屋以外にもこんなところにタワマンが

2025年3月18日 19:29
人気住宅地の価格上昇が続くなか、一戸建てが主流だった愛知県でもマンション人気が高まっています。タワーマンションの計画が進む、郊外の街を取材しました。
 土地取引の目安となる、1月1日時点の公示地価が18日に公表されました。

 愛知県では、県内平均で去年と比べて住宅地が2.3%、商業地が3.7%、工業地は3.9%、それぞれ上昇しました。いずれも4年連続の上昇です。

 岐阜県では住宅地が去年より0.3%下がって33年連続の下落となる一方、商業地は0.6%上がり、2年連続で上昇しました。
 訪日外国人客が増えていることから、「古い町並み」が観光客に人気の高山市上三之町は、全国8番目の上昇率となりました。

 三重県は住宅地、商業地ともに去年より0.5%上がり、2年連続の上昇となりました。
 

愛知県の住宅地の価格上昇は名古屋市の近隣で目立つ

名古屋に通えるエリアは住宅需要が堅調
 今年の東海3県の傾向について、専門家は――。

「名古屋を中心に、住宅需要が堅調なエリアは依然上昇している。その影響が三重の北勢エリアにも及んでいて、岐阜市や多治見市、中央線で名古屋に通えるエリアの住宅需要は堅調に推移している」(不動産鑑定士 松原孝文さん)

 愛知県の住宅地の変動率を自治体ごとに見ると、名古屋の近隣で上昇が目立ちますが――。

「長久手や豊明、大府に(住宅の)需要が流れていて、名古屋に比べればそれでも安いので、需要がシフトしている」(松原さん)
 

知立市の地価上昇率は住宅地・商業地とも愛知県内3位

愛知県知立駅前にタワマン計画
 愛知県の中で、メ~テレが注目したのが知立市です。

 駅前では整備が進められていて、少し歩けば飲食店が多く入るビルがあり、新しいマンションが建ち並んでいます。

 知立市の地価は、住宅地の平均変動率が4.4%、商業地が6.2%。いずれも去年からはランクダウンしていますが、ともに県内3位の数字です。

 その知立市の玄関口・知立駅の東側でマンション計画が進んでいます。

「知立駅からロータリーを歩いて目の前のところ、駐車場の奥のところがすべて敷地になっていますので、駅から出て目の前がマンションになります」(トヨタホーム マンション事業部 石川浩章さん)

 約9200平方メートルの敷地に建設が予定されているのは、地上28階建てのタワーマンションとスーパーなども入る12階建てのマンションです。

 利便性の高さが売りだといいます。
 

知立駅前のマンション完成予想イメージ(トヨタホーム提供)

愛知の分譲住宅着工、マンションが一戸建てを逆転
 これまで一戸建て志向が高く、「戸建て王国」とも言われてきた愛知県。

 ところが、去年の分譲住宅着工件数では、マンションが一戸建てを逆転しました。

 人気が高まる理由とは――。

「非常に戸建てが強いエリアだったが、昨今利便性からマンションを求める人がすごく増えている。分譲マンションはファミリータイプを中心に、知立の郊外から一戸建てを売却して、利便性の高いところに行きたいという高齢者にも人気が出ると思う」(石川さん)

 マンションの大きな利点が「駅近立地」です。

 駅に近い場所に新たに戸建てを構えるのが難しいなかで、28階建てのタワーマンションは知立駅の目の前です。

「駅に近い場所は、なかなか土地が出てこない。戸建てに比べ、駅前マンションの資産価値が高い。(新たなマンションは)まだ正確な値段は出ていないが、名古屋市内と比べると一段“お値打ち”な価格になると思う」(石川さん)
 

名古屋・豊田・刈谷・豊橋などに乗り換えなしで行ける知立駅

知立は交通アクセスが魅力
 知立駅は名鉄の名古屋本線と三河線が乗り入れる特急停車駅です。

 多くの企業がオフィスや工場を構える名古屋・豊田・刈谷・豊橋などに乗り換えなしで行くことができます。

 地元に住んでいる人も、交通アクセスには太鼓判です。

「交通の便は良い。車は国道が東西南北に走っているし電車もある」(知立市民)

「買い物はスーパーがたくさんある、大型店があるからいい」(知立市民)

 子育て中の世代も――。

「名古屋にも行きやすく交通の便はいい」(知立市民)

「住みやすい。いろんなところに子連れで行けるし、行きやすい道だし。駅の周りにカフェや子どもと休憩できる場所がほしい」(市民)

 駅前のタワーマンションは2030年度に完成予定。

 知立の街がどう進化していくのか、注目が集まりそうです。
 

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