品薄に価格高騰の「コメ」 今後の見通しは?“日本一のコメどころ”で見えた課題

2024年08月25日 11:53
 品薄が続くコメ。農水省は「需要と在庫のバランスは保たれている」としていますが、適切な在庫は確保されているのでしょうか。“日本一のコメどころ”新潟を取材すると、日本のコメ産業を取り巻く課題も見えてきました。 ■コメ品薄の背景には外国人の消費「増」も  異常気象は農作物にも影響を与えています。去年の猛暑による品質低下で供給量が減少、品薄となり、価格も高騰しているコメ。品薄の背景には、インバウンドによる需要の高まりもあります。 メ~テレ 小松崎花菜アナウンサー 「ほとんど満席になっています。見てみると海外からのお客さんの姿が多くみられます」 フランスからの観光客 「(Q.おにぎりの値段をどう思う?)フランスよりも日本の方が安いですね」 「(フランスのおにぎりは)トテモタカイ」 アメリカからの観光客 「(Q.どうしてこのお店に来たの?)“この辺で最高のおにぎり屋”って検索したんだ」 「これなら毎日食べたいわ!」  40種類以上あるおにぎり。客のおよそ半数が外国人です。 メ~テレ 小松崎花菜アナウンサー 「ん~!おいしいです!ほぼ握ってないくらいふわふわです」 戸越屋 渋谷道玄坂店 木本英二管理部長 「お米と海苔っていうのは二大原価なので、そこが昨年に比べて単純に1.2倍上がっているという状況」  今後もコメなどの仕入れ値が上がれば、厳しい決断をせざるを得ないといいます。 戸越屋 渋谷道玄坂店 木本英二管理部長 「(すでに)昨年の12月・今年の4月と2回の値上げをさせてもらっている状況。ギリギリのラインじゃないかと。秋口に(値上げを)検討せざるを得ないかなという話はしています」 ■品薄続くコメ“日本一のコメどころ“では…  一方、品薄が続いている状況について農水省は「在庫量は減ったものの、需要と在庫のバランスは保たれている」としていますが、適切な在庫は確保されているのでしょうか。  日本一のコメどころ・新潟を取材すると…。 JAえちご上越 営農部 販売課 上野康好さん 「どうぞどうぞ倉庫の中へ。こうやって見ていただくと分かるんですが、業者さんからお預かりしているコメがこのように在庫としてちゃんと残っております」  JAえちご上越の倉庫には、業者から預かっている令和5年度産のコメが山積みに。「今年はコメの在庫量が少ない」という情報だけが独り歩きしてしまったことも、品薄の理由の一つと言われますが、安定供給に必要なコメはしっかりと確保されていると言います。 JAえちご上越 岩崎健二常務理事 「例年通りの保管量だよな?」 JAえちご上越 営農部 販売課 上野康好さん 「はい、(例年通りの)保管の数字になっています」 JAえちご上越 岩崎健二常務理事 「今年のコメ在庫不足とかの影響で(保管量が)極端に少ないかと言えばそんなことないよな。ほとんど去年並みの流通量だよね。色々な情報出ますけども、農水省の情報も私は正確な値から言うと高いと思うので、冷静なご判断をしていただければと思っています」 ■新米の出来は?コメ農家が懸念する担い手不足  一方、まもなく新米の収穫を迎える農家は…。 コメ農家 滝本武夫さん(74) 「(Q.今年の出来はどうですか?)今年は下の水もあったし、天気も上から雨がたまに降ってくれて、良い感じというか、穂の長さもあるし、白くなってしまったのとかもあんまりない。(去年の収穫量より)1.2倍、もっとなるかもしれないかもな」 「(Q.等級も去年よりは?)良いと思うよ。(今年は)俺も期待してるんだけど」  去年と比べ、大幅な収穫量アップを見込みつつも、滝本さんには懸念点もあると言います。 コメ農家 滝本武夫さん(74) 「肥料代上がるわね、燃料代上がるわ。全部上がってきてる。コメの値段だけあまり変わらない。『我々も生活できる米価』と『消費者も食べられる消費者米価』、その間を国が合わせていかないとだめだと思うよ」  JAえちご上越によると、今年の新米について、生産者に前金として支払う「仮渡金」は前年比約22%増(コシヒカリ1等級60キロあたり)などと、新米価格には上昇の兆しがみられます。  一方で、滝本さんはコメの価格を適切に保てなければ、担い手は減る一方だと危惧します。 コメ農家 滝本武夫さん(74) 「若い人たちに『暑い、辛いけどそれだけ金になるよ』と言いたいんだけど、言われねぇんだよ。それだけの給料、今のままでは払えねえもん。根本的にそういうところをやってもらいたいわな、国として」 (「サンデーLIVE!!」2024年8月25日放送分より)

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