ウクライナ軍の越境攻撃で「プーチン氏はジレンマに直面」“戦略的に重要”橋破壊も

2024年08月18日 00:31
ロシア領内に越境攻撃を続けるウクライナ軍は日本時間17日、ロシア軍の補給路であるクルスク州の橋を爆破する映像を公開しました。専門家は、プーチン大統領はジレンマに直面していると指摘します。(8月17日OA「サタデーステーション」) ■補給路の橋を破壊 ウクライナ軍が日本時間17日に公開した映像。ロシア西部クルスク州の橋が爆発。煙が消えると、橋は寸断されていました。 ウクライナ軍による、ロシアへの越境攻撃が始まってから11日。今回、ウクライナ軍が破壊した橋は、すでに制圧している地域からおよそ10キロ離れた場所にあり、ロシア軍が補給路として使っていたといいます。橋を破壊した狙いについて、専門家は… 防衛省防衛研究所 兵頭慎治氏 「ウクライナ軍による現在の軍事制圧地域を維持・確立しようという狙いがある。(破壊した)橋を越えて軍事制圧することは、現時点ではウクライナ側は想定していないのではないかと考えられる」 ■“制圧の町”では「激戦の爪痕」 ウクライナメディアの記者(14日 ロシア・クルスク州スジャ) 「まさに歴史的な瞬間を迎えています。ロシア国旗が地面に落ちる瞬間です」 ウクライナ軍がロシア国内で制圧した町の様子も明らかになってきました。 CNN特派員(16日公開 ロシア・クルスク州) 「激戦の痕跡が残されています。ロシア国内でウクライナ軍が進軍するのは信じられない光景です」 地下シェルターには、ロシア人住民たちの姿もありました。今回の越境攻撃について、ウクライナのゼレンスキー大統領は… ウクライナ ゼレンスキー大統領(16日公開の動画) 「ウクライナのための“交換資金”を蓄えているのです」 防衛省防衛研究所の兵頭慎治氏によると、この“交換資金”とは、「捕虜」や「制圧した土地」のことを指している可能性があると言います。 ■プーチン氏 ジレンマ直面か ロシア領内に外国の正規軍が地上侵攻したのは、第2次世界大戦以来、初めて。ロシアのプーチン大統領からは、いら立ちが垣間見える場面もありました。 (12日に行われた会議でのやりとり) ロシア・クルスク州知事代行 「(クルスク州の)前線の幅は40キロで…」 ロシア・プーチン大統領 「そのことは軍が報告してくれるでしょう。あなたが報告すべきは、住民の支援や経済状況についてです』 プーチン政権に対するロシア国民の信頼が低下しているという、ロシアの「世論調査財団」による調査結果も出ています。 防衛省防衛研究所 兵頭慎治氏 「現在、プーチン大統領は、戦力の配分をどうバランスを保つのか、ジレンマに直面していると思う。(ウクライナ)東部などの前線をとるのか、あるいはロシア国内の国境防衛を優先するのか、難しい決断を迫られていると思う」

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