「冬休みはクリスマスと正月の準備が大変」ひとり親家庭の窮状を救うふるさと納税支援

2024年12月29日 16:17
 2024年も残りわずか。ふるさと納税の寄付先に頭も悩ませている人も多いと思います。この制度を使って、ひとり親世帯をサポートできる取り組みを取材しました。  寄付額が初めて1兆円を超えたふるさと納税。今年も広がりをみせ、すでに過去最高額となる自治体もあります。  能登地震の被災地への寄付も増えていて、「支援」をより意識した利用が注目されています。  そんななか、この制度を活用して新たな挑戦をするプロジェクトがあります。  株式会社アイモバイルが運営するふるさと納税サイト「ふるなび」と茨城県つくばみらい市が協働で進めるひとり親家庭の支援事業です。  つくばみらい市に3000円を寄付するごとにNPOを通じてお米5キロが全国のひとり親家庭に届けられるというもの。つまり、自分が返礼品を受け取るのではなく、困っている人を応援できるのです。  取り組みを始めて4年目。NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」理事長の赤石さんは…。 しんぐるまざあず・ふぉーらむ 赤石千衣子理事長 「本当にお米をたくさん頂いています。しかもコシヒカリでとてもおいしいお米。子どもたちもとても喜んでいます」 「最近お米を届けた時の声をご紹介します。『お米が値上がりしている。育ち盛りの子どもにおかわりをさせてあげられるようになった』と答えている方がいました。お弁当を持たせることができずに高校に通っているお子さんがいる家庭があったんですけど、この支援によって、おにぎり1個だけど持たせられるようになったので、『教室でお弁当を食べられるようになった』『お弁当がない時は、トイレに隠れてました』という話をお母さんが後で聞いた。そういうご家庭もありました」 「返礼品を受け取るのではなくてひとり親家庭にお米を届けられるという社会貢献ができる。それからつくばみらい市、つくばみらい市の農家さんにとってもそういう支援事業に一緒に関われる、3者がすごくよい結果を得られると思います」  内閣府の調査によると、ふたり親世帯の貧困は7.5%に対し、ひとり親だと50%に上ります。さらに、追い打ちをかけるのがインフレです。 赤石千衣子理事長 「物価高騰でお米は1.5倍ぐらいの値段になっています。お米をお届けした時に家に『家にお米がありませんでした』といった声もたくさん頂いています。年の瀬はさらに、クリスマスとお正月、年越しの準備が必要なんですが、月収15万円ぐらいのご家庭にとっては、もう本当にこれを準備するのも大変。冬は長期休みとイベントごとの両方があるので、この時期にご支援いただくことはすごく大切だと思います」  赤石さんは、このふるさと納税の新しい形に社会課題の解決に向けた可能性を感じていると言います。 赤石千衣子理事長 「公助共助といいますけれども、公的な支援は税金でやっているのである程度、限界があります。私どもがNPOとしてご寄付を集めて一番、大変な方たちにお届けするということをやっておるわけですけれども。最初に共感してくださる方っていうのはやはりひとり親に関心のある方たちです。そこからもう少し共感や関心が広がって寄付文化っていうのが広がらないと社会課題を解決できないと思います。そういうきっかけになるのが、ふるさと納税のスキームではないかなと。ハードルが低くできるのかなと思っています」

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