腕にあざ「パンチされた」死亡の小1女児、児相の保護時に証言 母と内縁の夫の3人の間に何が

2024年7月18日 20:10
愛知県犬山市で小学1年生の女の子が死亡し、母親と母親の内縁の夫が逮捕されました。同居する3人の間で何があったのでしょうか。
 警察によりますと、傷害致死の疑いで逮捕されたのは、会社員で内縁の夫、倉田凱容疑者(32)です。

 警察によりますと、倉田容疑者は5月24日午後8時40分ごろから25日午前7時40分ごろまでの間に犬山市上野の住宅で、犬山市の小学1年の島崎奈桜さん(7)に暴行を加え、腹部にけがをさせ、敗血症性ショックで死亡させた疑いが持たれています。

 内縁の夫と母親、女の子の間に何があったのでしょうか――

 警察によりますと、5月25日午前8時40分ごろ、内縁の夫から暴行を受けたとされる奈桜さんが嘔吐や腹痛などの体調不良を訴えました。

 「奈桜さんは自宅で体調不良を訴え、具合が悪い状態のまま、岐阜県本巣市の母親の実家に移動しました」(記者)
 

奈桜さんが死亡する直前の経緯

以前も「虐待」が疑われる
 奈桜さんの母親の島崎みなみ容疑者(33)は、体調不良を訴える奈桜さんに適切な措置を受けさせず、放置して死なせたとして、保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕されました。

 警察によりますと、島崎容疑者は、奈桜さんが体調不良を訴えてから1日たった5月26日午前8時45分すぎに119番通報。

 奈桜さんは、岐阜市内の病院に搬送されましたが、死亡しました。

 警察は、倉田容疑者と島崎容疑者の認否を明らかにしていません。

 「ショックの一言ですね。朝、体調不良で搬送先の病院で亡くなったということしか聞いていなかった。学校の対応は『1週間カウンセラーがいるので、子どももお父さんお母さんも何かあったら連絡して』という感じだった」(奈桜さんと同学年の児童を持つ母親)
 「顔とかにあざとかがあって、少し気になっていました」(保護者と一緒にいた小学生)

 奈桜さんをめぐっては、以前も「虐待」が疑われる事案が――。

 「奈桜さんは、おととしから去年までの間、児童相談センターで一時保護されていました」(記者)
 

一宮児童相談センターの杉本一正センター長

医療機関からの通告で一時保護
 一宮児童相談センターは、18日午後3時半から会見を開きました。

 奈桜さんは、虐待を受けた疑いがあるとして、2回にわたって児童相談センターに保護されていました。

 1回目は、2022年12月。保育園に通っていた5歳のときです。

 「医療機関から一宮児相に児童虐待の通告がありました。12月21日に当該児童が診察するため来院した際、前回来院した時よりも身体のアザが増えていた」(一宮児童相談センター 杉本一正 センター長)

 医療機関からの通告を受けて、12月23日から一時保護を開始。

 その際、奈桜さんは聞き取りに対し――。

 「腕にアザがあったが、奈桜さんの証言は『知人男性(倉田容疑者)からパンチされた』という話だった」(杉本センター長)
 
 倉田容疑者は、児童相談所に「今後、奈桜さんとは会わない」と回答。

 母親の島崎容疑者は、安全管理が不十分であるとしてネグレクトと認定され、虐待防止指導プログラムを受けました。
 

一宮児童相談センターの会見

2度目の保護時も、母は虐待否定
 1回目の一時保護は、去年3月22日に解除されますが――。

 「去年4月10日、まだ解除して間もない時期だが、当該児童が通う保育園から通告がありました」(杉本センター長)
 
 奈桜さんの左あごに小さなアザを発見した保育園からの通告を受け、2回目の一時保護となります。

 ただ、2回目の保護の際にも、母親は虐待を否定。
 
 さらに、奈桜さんも虐待をうかがわせる証言をしなかったことから、約3カ月後(23年6月9日)に2回目の一時保護を解除しました。

 「最終的に本人(奈桜さん)自身も『ママに会いたい』という話になり、一方で少なくとも知人男性(倉田容疑者)は分離しなければいけない。本人(奈桜さん)も会いたくないとも言っていたし、パンチされたと言ってるわけで、ここはきちんと分離しなければいけない。今の状況でもこれが言えれば、保護を解除することはなかったということは、なかなか言えない状況」(杉本センター長)
 

これまでに入っているニュース

もっと見る

これまでのニュースを配信中