まもなく開会式・五輪の象徴「聖火」を運ぶトーチ その一部は愛知で製造“炎の形”にもこだわりが詰まる

2024年7月26日 15:45
いよいよ開幕を迎えるパリオリンピック2024。この大会の聖火を運ぶトーチは愛知県内の工場で作られたものなんです。

パリ五輪で使用されるトーチ

トーチの「バーナー部分」を製造
 27日午前2時半から始まるパリオリンピックの開会式。注目の一つは、オリンピックの象徴でもある「聖火」です。

 パリオリンピックの聖火リレーで使われているトーチのバーナー部分が愛知県豊川市の工場で作られていました。

 1978年創業の「新富士バーナー」。登山やキャンプで使うコンロやランタンを製造する会社です。

 トーチを持たせてもらうと、かなりずっしりと重さを感じます。

 「材質は鉄で出来ていて、ガスボンベを入れて、約1.5キログラムになる」(新富士バーナー 山本潤さん)

 新富士バーナーが担当したのは、トーチの中でも「燃料部」と「ガスボンベ」の部分を開発・製造したといいます。

 実は、東京オリンピックで使われたトーチのバーナー部分も「新富士バーナー」で製造されたもの。

 その実績を買われ、おととし、パリ大会の組織委員会からメールで「製造に興味はないか?」と連絡があったのだそう。
 

風雨でも消えない炎を

開発期間はわずか1年
 Q:その時の気持ちは?
 「大変光栄な気持ちと、ただ…入札で弊社に決まったのが2023年1月で、聖火リレーが始まるまで1年ちょっとだったので、そこに対する焦りがありました」(新富士バーナー 山本潤さん)

 さらに組織委員会から求められたのは「1時間に50ミリの大雨」や「時速60キロメートルの突風」の中でも消えないものであること。

 開発期間はわずか1年でしたが、アウトドア用のランタンに使われている技術を活かし完成させることができました。
 

ガス漏れしないかを確認(提供:新富士バーナー)

炎の形にもデザインが
 今回は約2000セットを納品しましたが、ひとつひとつ丁寧に手作業で組み立てられ、
水中で内部に空気を送り込み、ガス漏れしないかチェックするなど、細心の注意を払って作られました。

 また、前回の東京オリンピックでは桜をモチーフとしたデザインでしたが、今回は「平等」を意味する上下左右を対照にしたデザインに。

 Q:苦労したことは?
 「パリの組織委員会から、デザインしたのは筐体だけでなく、炎の出し方にもデザインがあると言われた」(新富士バーナー 山本潤さん)
 

新富士バーナー 山本潤さん

日に日にワクワク感
 組織委員会からの要望は「風を受けていない時は(炎が)真上に出るように。走っている時は旗がたなびくように炎を出してほしい」というもの。

 Q:まもなく開会式だが、どんな気持ちで迎える
 「開幕が近づくにつれて、日に日にワクワク感が増している。聖火台にどのように点火されるのか、個人的にもすごく楽しみですが、皆さんにも楽しみにして欲しい」(新富士バーナー 山本潤さん)
 
 
 

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