高速道路で事故…どう身を守る? ハイウェイ・パトロール隊員の訓練に密着

2024年10月4日 17:57
3日、愛知県内の高速道路で車が衝突し、事故の対応をしていた人が後から来た車にはねられて亡くなりました。もし高速道路で事故を起こした際、どのように対応すればよいのでしょうか。
 3日午後8時20分ごろ、愛知県東海市新宝町の伊勢湾岸道上りで、道路上にいた男性2人が走ってきた乗用車にはねられ死亡しました。

 亡くなったのは愛知県刈谷市の加藤歩さん(46)と、豊明市の田中貴士さん(52)です。

 警察は、乗用車を運転していた田嶋惇一容疑者(33)を過失運転致死の疑いで逮捕しました。容疑を認めているということです。
 

事故で亡くなった人が運転していた車

高速道路の事故対応で路上に
 警察によりますと、この事故の前、現場では乗用車2台による衝突事故があり、死亡した2人はそれぞれの車を運転していました。

 警察は、2人が車から降りて事故の対応をしていたところ、後続車にはねられたとみています。
 

中京・北陸地域のハイウェイ・パトロール隊員

高速道路の安全を守るハイウェイ・パトロール隊員
 多発する高速道路での事故。中日本ハイウェイ・パトロール名古屋によると、去年、処理した事故件数は約7000件に上るといいます。

 事故が起きた際の処理など、高速道路での安全を守っているのがハイウェイ・パトロールの隊員たちです。
 

事故に巻き込まれたNEXCO中日本の車

高速道路上の事故を想定した訓練
 「こちらに、中京・北陸地域の交通管理隊が集まり、高速道路上での事故を想定した訓練の競技会が行われます」(木岡真理奈アナウンサー)

 4日、愛知県岡崎市で行われたのは、ハイウェイ・パトロールの隊員による路上作業を競う大会です。

 競技会は3日から2日間にわたって行われ、中京・北陸地域の交通管理基地から約70人が参加。事故現場を想定し、トラブルへの対応技術を競います。

 「高速道路で我々交通管理隊がより安全に作業できるよう、訓練を重ねてやるために実施しています。自分の命は自分で守るということをしっかりと頭と体でたたき込んでやっています」(中日本ハイウェイ・パトロール名古屋 長谷川知央さん)

 2022年には、三重県四日市の伊勢湾岸自動車道で車8台が絡む事故が発生。NEXCO中日本の関係車両も巻き込まれました。
 

中日本ハイウェイ・パトロール名古屋の長谷川知央さん

時速100kmで車が走る中の危険な作業
Q.「高速道路でかなり速いスピードで車が通っているなかの作業は、かなり危険が伴いますよね」(木岡アナ)
 
 「速度で言えば100キロ、静岡県の方では120キロという、かなり速い速度になっているので、少しのミスがあれば当然、命にもかかわるので、ミスのないようにしっかりと確実に作業をしています」(長谷川さん)
 

中京北陸地域の交通管理隊による訓練

パトロール隊員が事故を防ぐ方法は
 「パトロールカーが到着しました。まもなく運転手が荷物を片づけている現場に到着します」(木岡アナ)

 富山基地の隊員が行った訓練は、落下物処理。車両の荷台から木の板10枚が高速道路上に落下したことを想定して行われました。

「後方にいる隊員が一般の走行車両を停止させています。もう一人の隊員が周囲の安全を確認し、発炎筒をたきました」(木岡アナ)

 危険が伴う高速道路での作業。常に安全確認をしつつ、隊員が連携して作業を進めていきます。車の外に出たドライバーの安全確保も重要です。
 
 「運転手は、走行車線の右側ガードレール側に立っています。隊員が荷物を回収しました。もう一人の隊員が運転手のそばに駆けつけました。そして誘導しているようです」(木岡アナ)

 「蛍光のベストが手渡されました。こちらも安全のためということですね」(木岡アナ)

 隊員が事故処理をしている最中に、別の車が突っ込んでくるケースもあるといいます。

 長谷川さんは常に情報を集めて運転してほしいとしています。

 「高速道路上は、いろいろな案内が出ています。インターの手前に表示板があり、パトカーの手前に標識車という車も止まっています。道路全体を見渡して、脇見のないように前を見て走ることが重要です」(長谷川さん)
 

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