育ちすぎて廃棄の危機にあったサツマイモを地元和菓子店が支援 「鬼まんじゅう」を安く販売 愛知県豊橋市
2023年11月10日 17:44
今年は豊作だったという秋の味覚、サツマイモ。愛知県豊橋市のある農家では、育ちすぎて規格外の大きさになってしまったサツマイモが大量に出てしまったといいます。困った農家に手を差し伸べたのは地元の和菓子店でした。
全国有数の農産地として知られる愛知県豊橋市。
鈴木直樹さんが育てるサツマイモは、土にこだわる栽培方法で、その甘味と香りの高さで人気を集めています。
今年は天候に恵まれ、豊作だということですが――
「育ちすぎです。(通常の)3倍から5倍ですかね。10月、11月になってもすごく暖かい日が多くて想定よりもかなり速いスピードで大きくなっていったことが理由としてある」(農園そもそも代表 鈴木直樹さん)
"規格外"のサツマイモ
2t以上のサツマイモが「規格外野菜」として出荷できず
大きな物だと重さは通常のサツマイモの10個分、2kgになることもあるといいます。
しかし、「大きいことはいいことだ」とは言えない事情があります。
「大きいだけじゃなく変形というのか、溝が入ったり、いびつだったり。ますます敬遠されるものになる」(鈴木さん)
鈴木さんの農園では収穫量の約1割にあたる2t以上のサツマイモが「規格外野菜」として出荷をすることができませんでした。
「そういったものについては廃棄というのもあったのかなと」(鈴木さん)
お亀堂 工場直売店(愛知・豊橋市)
地元和菓子店が支援の手を差し伸べる
困惑する鈴木さんに声をかけたのが地元の和菓子店「お亀堂」。
ブラックサンダーとコラボレーションした「あん巻き」で有名です。
サツマイモは和菓子にも味覚のひとつとして使われる食材です。
今回、鈴木さんの畑でとれた「規格外」のサツマイモを買い取り作ったのが「鬼まんじゅう」です。
「紅あずまは蒸した食感がホクホクなので、鬼まんじゅうとはよく合っていると思う。形が悪いだけで味としては全然問題がないので、本来規格外で捨てられたり安くされたりしてしまうものを適正価格で買い取って、少しでも農家のためになりたい」(お亀堂 森貴比古社長)
11月下旬まで普段より安く鬼まんじゅうを販売する
お亀堂では農家を応援する意味を込めて今回の鬼まんじゅうを普段より安く販売することにしました。
育ちすぎて廃棄の危機にあったサツマイモ。
お店にもお客さんにとっても喜ばれることになり、鈴木さんもほっとしています。
「豊橋市はキャベツだったりトマトだったりの生産が多いので、地元にもサツマイモがあると知ってもらえる機会になるとうれしい」(鈴木さん)