観光地を歩かず回れる「近距離モビリティ」 旅の新スタイル 全国60カ所で導入

2024年09月12日 14:08
 まもなく3連休です。どこかに出かけたいけれど、長い時間歩いて回るのは大変だという人に、観光の新たなスタイルが広がっています。 ■「移動が不安」で観光控える  戦国時代に難攻不落として知られた小田原城は、立派な天守閣が人気の神奈川県の観光地です。ただ、お城だけに上り坂が多く、このような声が聞かれました。 60代男性 「大変ですね。足が悪いとか、家内も膝を痛めているので歩くのが大変で」  実は観光庁が去年行った調査でも、旅行を控える理由の1位は「料金が高い」でしたが、2位は「移動が不安」というものでした。 ■全国60カ所に広がる  そんな中、今週から新たに始めたのが、近距離モビリティ「WHILL」の貸し出しサービスです。  電動車いすなので免許は不要。手元のレバーを動かすだけで操作できます。レンタル料は2時間1000円、市の観光交流センターで予約します。  さっそく利用する人がいました。77歳の神保育雄さんです。 神保さん 「(普段は)あまりきついところは諦めて、(自分は)休憩して、家族だけ行っている。だから、家族は気にしますね。早く帰ってこないといけないと」  でも、この乗り物なら押してもらう必要もありません。城の砂利や少しの段差も、問題なく進んでいきます。 神保さん 「スピードも人間の歩く速度。これです。これが(一番)スピードが速いです」  スピードは手元で4段階に調節できます。仮に坂道で操作をやめてもブレーキが掛かるので、滑り落ちる心配はないということです。  出発してからおよそ15分。あっという間に、天守閣まで到着しました。 神保さん 「楽しいですよ。こんなにのんびり見るのは久しぶりですよ」 「(Q.全然疲れてないですか?)疲れてないです」  観光地に「WHILL」を導入する動きは、遊園地やショッピングモールなど、全国60カ所に広がっています。 ウィル広報 新免那月さん 「普段は歩けるけど、長距離になるとつらいという方にこういったサービスを提供していきたい。(歩いて回る)場所は10万カ所あると言われている。行った先で気軽に快適に、当たり前に移動できる社会をつくっていきたい」 (「グッド!モーニング」2024年9月12日放送分より)

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