緊縛強盗と“闇名簿”に共通点か 「リフォーム装い下見…全国リスト10万件」証言も

2024年10月21日 00:18
(有働由美子キャスター)首都圏で相次ぐ強盗事件、不審な“飛び込み営業”と闇名簿の関係性が見えてきました。 ■“殺人”容疑の男「家族への危害怖く…」 20日朝、警察署から送検された1人の男…強盗殺人の容疑で逮捕された宝田真月容疑者22歳。今月15日頃、仲間と共謀し、横浜市の後藤寛治さんの自宅に侵入、暴行の上、殺害し現金約20万円の他、50万円相当のネックレスなどを奪った疑いが持たれています。 (草薙和輝アナウンサー)「宝田容疑者は千葉県印西市の実家で、父親と祖父母と4人で暮らしていたということです。最近会った同級生によりますと、宝田容疑者はお金に困っている様子はなかったといいます。」 (宝田容疑者の知人)「絵が好きでよくわからない絵をひたすら描いていた。基本はおとなしいが周りに乗せられると割と何でもしてしまう…」 20日、宝田容疑者の家族が取材に応じました。 (宝田容疑者の父親)「ちょっと頭の中が整理つかなくて、事件で(被害者が)亡くなっているじゃないですか、なんでやっちゃったのかなっていう…」 (宝田容疑者の祖母)「これから一生罪を償って一生過ごしてもらいたい…」 警察の取り調べに宝田容疑者は… (宝田容疑者の供述)「個人情報を指示役に知られていたことから、仕返しや家族にも危害が加えられるかもしれないと考えると断れなかった」 ■事件前兆か・被害宅に“リフォーム業者” 首都圏で相次いでいる強盗事件。合同捜査本部は1都3県で発生した14の事件を重点的に捜査、これまで実行役ら32人が逮捕されています。 (草薙和輝アナウンサー)「現場周辺を取材するとある共通点が浮上してきました」 先月30日、東京都国分寺市で起きた強盗致傷事件。60代の被害女性は、警察にこう証言していました。 (国分寺市の被害者(60代女性))「飛び込み営業のようなリフォーム会社が訪問してきて、実際にリフォームを行った。リフォーム代金として数百万円支払った」 浮上する“飛び込み営業”のリフォーム業者の存在。千葉県船橋市で今月9日に起きた強盗傷害事件。周辺では事件前にリフォーム業者を名乗る人物の訪問営業が相次いでいました。 (事件前にリフォーム業者の訪問営業を受けた人)「『屋根の一部がちょっと剥がれているの知っていますか』って。うちは業者が決まっているから大丈夫ですって言ったら『何が大丈夫なんですか』って半分キレているような感じで本当にしつこかったですね」 さらに別の家では… (事件後にガス点検の業者が来た家の人)「『給湯器の点検にきました』という業者が来た。そういうのが分からなかったので(世話になっている)工務店に電話したら『うちでは一切そういうお願いしていないので』と言われ、電話が終わって、玄関の方を見たらその人はいなくなってました…」 残されていたインターホンの映像には、20代とみられる男性の姿が映っていました。脇にファイルを抱え、始終伏目がちに携帯電話を操作する男性。家主によると、この人物は前日の夜にも訪れていたといいます。警察によると、事件前、リフォーム会社などを装った電話があったという相談が多数あり、“強盗事件の前兆の可能性”があるとして、注意を促していました。 ■正規業者・「家族構成など把握可能」 番組の取材によると、強盗の被害にあった住宅10軒のうち、8軒の現場周辺で、事件前、リフォームなどを持ち掛ける人物がいた事実が明らかになりました。 リフォームを行う場合、業者はどのような情報を得るのでしょうか?約30年に渡り、リフォームに携わってきた会社が取材に応じてくれました。 (住宅のリフォームを行うグランデータ 橋本晋二代表)「お客様の家族構成とか、その生活環境といいますか、ある意味ではお客様の趣味だとか分かってきますね」 また、家の図面がある場合は提示を求め、そこからも様々な情報が得られると言います。 (住宅のリフォームを行うグランデータ 橋本晋二代表)「現状の間取りと、そのお部屋どういうふうに使われているか、開口部(窓や扉)の位置とか…」 リフォームの“飛び込み営業”に関しては… (住宅のリフォームを行うグランデータ 橋本晋二代表)「うちは訪問営業は一切しません」 では犯行グループは、どの様な基準で強盗に入る家を選んでいるのでしょうか?捜査関係者によるとリフォーム会社の顧客名簿が、悪用されている可能性があると見ています。 ■「下見でリスト更新…全国で10万件」 “闇名簿”の内情に詳しい人物はこう語ります。 (“闇名簿”に詳しい人物)「もともとは不動産業者とか工務店から流れて来た情報、もちろん間取りも含めて購入者の資産状況、ローンなのか現金なのか、それと家族構成」 不動産会社などからの情報をリフォーム業者に流し、それを名簿化。最終的に狙う家の選定は下見などを行い、決めている可能性があるといいます。 (“闇名簿”に詳しい人物)「現地調査にいって(情報を)付け加えているリストが出回っている。リフォーム業者を名乗ってもいいし、貴金属の買い取でもいい。それで情報を集めに行って、“叩き”(強盗)に入ってしまう。(リストには)全国で10万件くらいあると思う」 10月20日『有働Times』より

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