夏休みの難関「自由研究」、手伝う保護者はどのくらい? 生成AIをもし使うなら…

2024年8月21日 17:12
数ある夏休みの宿題のなかでも、永遠の課題ともいえるのが「自由研究」です。テーマ選びのヒントや、新しい技術との向き合い方を取材しました。
 学習サービスなどを提供する「ベネッセコーポレーション」が小学生の子どもを持つ保護者1700人余りに尋ねた調査では、子どもの自由研究について、保護者の半数以上が「何らかの形で手伝う」という結果に。

 アドバイスも手伝いもしないで「子どもに任せる」と答えた保護者は3%と、かなり少ないことがわかります。

 「夏休みの宿題で、自由研究が特に大変だとか、テーマを選ぶことが大変だと言う保護者が多いことが分かっています」(ベネッセコーポレーション 佐々木陽祐さん)

 そんな悩みを解決すべく、ベネッセでは、自由研究をサポートするウェブサイトを公開。学年や研究にかけたい日数、どんなテーマに興味があるかを入力すると、200以上のアイデアの中からおすすめのテーマを提案してくれます。

 「テーマはその学年が習っている単元に近い内容を深めるのが定番かなと思います。自分の家でのフードロスがどのように出ていてそれをどう改善していくかを考えるなど、社会問題とひも付けたテーマでやる人もいるかなと思います」(佐々木さん)
 

生成AIの利用に、保護者の66%が肯定的(ベネッセコーポレーション調べ)

生成AIの利用「すぐ答えを知るのではなく、一緒に学んで」
 自由研究のお手伝いをする取り組みは、ほかの企業や自治体でも。子どもの興味や関心を引き出すきっかけづくりをしています。

 そのなかで、最近の自由研究をめぐっては、気になることも。

 各方面で利用が進む「生成AI」の活用です。

 ChatGPTなどを使えば、パソコンやタブレットにキーワードを入力するだけで、大人顔負けの文章が生成されますが――。

 ベネッセが去年7月に実施したアンケートでは、生成AIについて知っていると答えた保護者542人のうち、66%が子どもが生成AIを使うことについて肯定的な回答をしました。

 「新しい興味に出会えそう」などの声があったそうです。

 一方で、利用に否定的な保護者からは「自分で考えなくなりそう」「情報の正誤の判断がつかなそう」という回答も。

 ベネッセで生成AIを使ったサービスを開発する担当者は――。

 「単純にネット検索ですぐ答えを知るのではなくて、考え方だったり、自分で進めるにはどうしたらいいかという、ChatGPTとやり方を一緒に学んでいくというところがいいかなと思います」(ベネッセコーポレーション 白石健太さん)

 自由研究に生成AIを活用する動きは進むのではといいます。

 「生成AIは周りに有識者とかがいなくても、すぐ聞いて知ることができるというところで、どんどん自分が興味があるところを深掘りしていく。そういう使い方をしていただくのが、理想的な使い方かなと思います」(白石さん)
 

文部科学省による生成AI利用の暫定的なガイドラインより

教育現場での生成AI活用、文科省がガイドライン
 生成AIの教育現場での活用については、文部科学省が去年7月、考え方を示しています。

 ・生成AIの性質やメリット・デメリット、自分の判断や考えが重要であることを十分に理解させる

 ・情報の真偽を確かめることの習慣付けも含め、情報活用能力を育む教育が必要

 ・生成AIが生成する誤りを含む回答を教材として使用し、その性質や限界などを子どもに気付かせること

 ・一律に使用の禁止や義務づけはしていない

 また、名古屋・岐阜・津の3市の教育委員会は、文科省のガイドラインが出された際に、ガイドラインに準じた活用をするよう各学校に指導していますが、細かな対応は各学校での判断に任せているということです。
 

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