三重県鈴鹿市にある社会福祉法人の理事長らに対し、理事などの選任について便宜を図ってもらう見返りに3500万円の賄賂を渡した罪に問われている男の裁判で、検察は男に懲役10カ月を求刑しました。

　社会福祉法違反などの罪に問われているのは、和歌山県の不動産管理業、金田充史被告(53)です。

　起訴状によりますと、金田被告は2022年、仲間と共謀し、社会福祉法人「かがやき福祉会」の理事などの選任にあたり、適正な手続きを踏まずに、金田被告が指定した人物に代えることへの見返りとして、3500万円の賄賂を当時の理事長らに渡した罪に問われています。

　21日に津地裁であった初公判で、金田被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

　検察側は「金田被告が実質的な経営権を得ようとしていた」「高い公共性を有する社会福祉事業に対する信頼を失わせた」などとして、懲役10カ月を求刑しました。

　弁護側は「かがやき福祉会がM&Aサイト上で売りに出されていたうえ、仲介役が公認会計士となっていて、会社の売買と考えていた」などとして、執行猶予付きの判決を求めました。

　判決は30日に言い渡されます。