「178万円“目指す”」実際いくらに? 「補正予算案」衆議院で可決
2024年12月12日 21:37
補正予算案が衆議院で可決されました。その条件として「178万円を目指す」という3党の合意がありましたが、そもそも「目指す」とは、どういうことなのでしょうか。
■「補正予算案」衆議院で可決
国民民主党 浅野哲議員
「昨日の3党合意に基づいて政府の責任者たる石破総理におかれましても103万円の壁の来年からの引き上げ、そしてガソリンの暫定税率の廃止、これについて実現する、実行すると、そういうご意思をお持ちかどうか答弁をうかがいたいと思います」
石破総理大臣
「この合意が持つ意味は非常に大きいと思っております。今後3党の税調会長間でさらに議論が進められていくものと承知を致しておりますが、この合意というものをよく踏まえましたうえで政府として誠実に対応致して参ります」
11日、自民・公明・国民民主の3党による幹事長会談で急転直下まとまった合意。
自・公・国)合意書
「いわゆる『103万円の壁』は国民民主党の主張する178万円を目指して来年から引き上げる」
所得税の非課税枠を今の103万円から178万円に引き上げると、国民民主党の試算では年収300万円の場合11万3000円の減税、年収600万円で15万2000円の減税。
税の負担が減り、手取りが増えることになります。
浅野哲議員
「来年から引き上げるというためには今月の中旬頃までには決めないといけないと。そのためにはもう残り…きょうは12日ですので残された日取りはそう多くないと思います。これまで以上のスピード感で協議を行い、結果を出すように、党内に対して指示を出していただきたいと思うんですが」
石破総理大臣
「我が党として、この合意を踏まえて誠実に対応致して参ります。12日であることはよく承知を致しております」
その11日の合意書。よく見ると「178万円を目指して来年から引き上げる」と書かれています。
この「目指して」がポイントです。
自民党 森山幹事長
「これ1年ではやれるわけではありませんので」
「(Q.段階的に引き上げる?)来年から『一発で』というのは無理がございますので、そういうことにはならないのだろうと思いますが」
来年から段階的に引き上げて178万円を目指すとのこと。国民民主党の古川代表代行はこう解説します。
国民民主党(税制担当) 古川代表代行
「ゴルフに例えると、この税制協議というのは相当距離の長いロングホールです。まだ今、ティーグラウンドの辺りをチョロチョロしている状況なので、ちゃんと長いクラブを持ってちゃんと飛ばしてもらわないと時間切れになりますよと」
■「178万円“目指す”」実際いくらに?
では、来年はどのくらい引き上げるのか。そもそも目指すだけで本当に178万円に引き上げるのか、疑問が残ります。
政治部(官邸サブキャップ) 澤井尚子
「ポイントはあくまで『目指す』という目標にしか過ぎないということです。与党として段階的に引き上げる方針ではあるものの、最終的に178万だと約束したわけではありません。国民民主としてはきょうの補正予算案に賛成するための材料として178という数字を勝ち取りたかったわけです。一方、少数与党としてはなんとしても国民民主の賛成が必要ななかで大きく譲ったようには見せながらも具体的には譲っていないという、まさに玉虫色の合意です。あす、3党での協議で与党側から具体的な引き上げ幅を打ち返す予定ですが、物価の上昇率をもとに算定して、まずは120万円前後で打ち返すのではないかとみられていて、国民民主からの反発が予想されます」
浅野哲議員
「総理から指示を出していただきたい。確実に話をまとめるように指示を出していただきたい。総裁としての責任のもとにこの話を最後まで結論が出るまでしっかり監督をしていただきたい」
石破総理大臣
「党として、そのように対応するように幹事長、政調会長、税調会長とも認識を共有しておるところでございます」
12日午後、今年度の補正予算案が衆議院を通過し、参議院に送られました。
3党合意を踏まえて国民民主党が賛成したほか、与党側が教育無償化に向けた協議に応じることを条件に日本維新の会も賛成しました。
少数与党の石破政権が野党と向き合った結果が形となりました。
政治部(官邸サブキャップ) 澤井尚子
「ある政府高官は『我々はまな板の上のコイだ』と話していて、少数与党というなかであくまで連立の関係にはない国民民主に『一点張り』という状況は危ういとも考えています。そこで税制改正の先にある、来年度予算案の編成に向けても立憲民主党や日本維新の会とも折り合えるところでは折り合っておきたい。石破総理の周辺は『石破さんは立憲・野田代表や維新・前原共同代表とも相性がいいからついているよね』と話す」
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